友の会会報 No.16
2009.02.01
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◆特集◆ 第18回日本BDORT医学会(2008年7月)
大村恵昭先生 挨拶
特集@難治性疾患の診断と治療 進行癌・末期癌との穏やかな共存をめざして加藤紘一先生
特集A 環境汚染と「うつ」、自・他殺の社会的な増加について BDORTOMURA)による診断と治療および画像(写真)診断所見について 岡宗由先生
特集 B Sick House Syndromeが基礎にあると考えられた帯状疱疹後の難治性顔面皮膚湿疹の1症例 赤堀英明先生
O-リングのわ
ORTでの患者 体験談
<連載>仙人伝説
林原グループ代表 林原健氏
<連載コラム>
O-リングテストのABC
O−リングテスト創始者の大村恵昭教授の
最近の研究について
日本BDORT協会ニュース
友の会会報 No.15
January 2009
友の会会報 No.14
September 2008
友の会会報 NO.13
January,2008
友の会会報 NO.12
November,2006
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November,2006
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November,2004
友の会会報 No.8
November,2004
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November,2003
友の会会報 No.4
November,2002
 
友の会会報No.3
November,2002
友の会会報 No.2
November,2001
O−リングテスト時に生じるキャンセル現象
友の会会報 創刊号
November11,2000
第4回国際シンポジウム
塩分摂取について』  
バックNO.
2007.06.25

毎月初めに更新

バックNO.2005/7月〜12月

バックNO.2005/1月〜6月
バックNO.2004

協会員医師による健康ワンポイント
今月の質問
生理痛に対して針灸師として
どのような治療をされているか?

2007.06.25

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バイ・ディジタルO−リングテストに相当の知識と経験があり、実力があると認められた先生のリスト

特集 B


<特集3> Sick House Syndromeが基礎にあると考えられた帯状疱疹後の難治性顔面皮膚湿疹の1症例

赤堀英明先生 M.D., Cert. ORT-MD (1Dan)

あさひ総合病院               

One case of obstinacy face skin eczema after zoster caused by Sick House Syndrome

Hideaki Akahori  M.D., Cert. ORT-MD(1Dan)

Asahi General Hospital

私のおります病院は、総合病院ですので、こられる患者さんのほとんどは、他の科で、診察を受けても原因が分からないという方がほとんどです。そのような方をBi-Digital O-Ring Test(OMURA,Y,1977-2008.以下BDORT)を用いて、日々診療しています。本日は、最近増加している、シックハウスが症状の原因にあると考えられる症例をご紹介したいと思います。

シックハウスとは、建物、住居内の空気汚染に由来する健康障害の総称です。症状は目、鼻、喉、皮膚の症状や、頭痛、耳鳴り等、不定愁訴が現れます。原因は、建材、家具、カーテン、絨毯、日用生活品(化粧品、タバコ、防虫剤等)等から発する化学物質、ダニ・カビ等です。また、殺虫剤でも同様の症状を引き起こすことがあり、呼吸障害にもつながる恐れがありますから、注意が必要です。

シックハウス症候群は、1970年代から、急激に増加していますが、どうしてこういうことが起こってきたかというと、最近の家の造り方にあります。最近の家は断熱、高気密構造の家が多く、壁や床材等から揮発した化学物質が籠ってしまう環境が大きな原因となっていると言えます。

それでは、症例を紹介したいと思います。25歳の男性で、2007年初めごろより鼻の下に発疹がありました。2007319日から、口唇周囲の帯状疱疹で通院治療を行い、一度は改善しましたが、2007331日全身の発疹が出現し、1週間入院治療をされました。

退院後も鼻の下や顔面の発疹を繰り返し、消えることはなく、口唇周囲はいつもピリピリしているとのことで、2008115日当科を受診されました。

初診の所見としては、鼻、口を中心にVZV(Varicella Zoster Virus) 330ngBDORT Unit以下同様)の集積がみとめられ、その周外にHHV7(Human herpes type 7) 100ngの集積、さらに外側にHg 50mgの集積が認めらました。

そこで、重金属の蓄積とVZVHHV7の集積を改善するために、抗ウイルス作用のある漢方薬、ユーカリ茶、藍錠剤、エパデールで治療を開始しました。複数のウイルス感染が見られる場合は、藍錠剤が効果的な場合が多くあります。また、ユーカリ茶は、重金属の排出の際に用います。ユーカリ茶はコストも大変安く済みますので便利ですが、体質に合わない人が居られますので、必ずBDORTにて肝臓で適合性のチェックと量の測定を行ってから、処方します。

2008214日の再診では、体幹部正中線上の胸骨部、臍上部、四肢にホルムアルデヒド330μg、ビスフェノールA 200μgの集積が認められました。そこで、シックハウス症候群が基礎疾患にあると考え、解毒系の漢方等の処方に変更しました。その後、ビスフェノールA、フォルマリンともに著しく減少し、皮膚の症状も、改善しました。

BDORTで調べると、シックハウス症候群の方は、フォルマリンやビスフェノールA等の蓄積が認められます。同時に水銀、鉛、アルミニウムの蓄積も認められることが多くあります。

また、シックハウス症候群ではHSV(Herpes Simplex Virus)CMV(Cytomegalovirus)VZV等のウイルス反応が局所に認められます。特にビスフェノールAやホルマリンは、上肢の肘から抹消、下肢の膝から抹消に蓄積が多く見られます。症状としては局所的に赤色疹、掻痒感、ピリピリした痛み等の皮膚症状を訴えられることが多く、時にアトピー症状を示すこともあります。

シックハウス症候群の方のもう一つの特徴としては、体の冷えの強い方が多いということです。体が冷えている方は、暑がりであったりもしますので、自覚がない場合が多いですが、診療をしていく中で、体の冷えに気づくことが多くあります。

治療としては、金属の排出と漢方の解毒薬系剤と下剤の併用が効果的です。金属の排出には、中国パセリ、ユーカリ茶を使用します。解毒する方法は、結局のところ尿・便・汗のいずれかで排出するしかない訳ですから、下剤の併用が効果的だということです。

このように、日ごろの診療において、BDORTは、病気の原因の究明、診断の決定、治療の決定と、すべてにおいて大変役に立っています。

 


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