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2004.11.5 2005年春は、花粉症にご注意! 04年の10〜20倍の大量飛散の予測
この夏の猛暑の影響で2005年春には、スギやヒノキの花粉が2004年比で10〜20倍も多く飛ぶという予測が出た。11月4日にNPO花粉情報協会が開催した「2005年スギ花粉飛散予測セミナー」で、気象業務支援センターの村山貢司専任主任技師が明らかにしたもの。 例年に比べても2、3倍の花粉量に相当し、花粉の大量飛散が避けられない見通し。花粉症の人にはつらい春になりそうだ。 今年の夏は暑かった。東京では39.5℃の最高気温を記録、真夏日の日数も観測史上1位。このため、日照時間が長く、雨が少ないという、花粉の生育に絶好の条件がそろった。 実際、スギ花粉をたわわに抱え込むスギの雄花の生育状況は良好で、「観測史上最高を記録した1995年に次ぐ、10年来の大飛散になる見込み。ヒノキも多い西日本では、観測史上最高の飛散量になるおそれもある」と村山専任主任技師は指摘する。 前年の冷夏の影響で飛散量が激減した04年と比較すると、「特に飛散量が多いと予測される関東北部から近畿にかけては、前年比で20〜30倍飛ぶ地域もある」(村山専任主任技師)。なお、この夏の集中豪雨や10個の台風上陸は記憶に新しいが、「いずれも被害は局地的で、花粉飛散量にはほとんど影響ない」(村山専任主任技師)という。 飛散開始は、暖冬の影響で例年よりもやや早くなる見込み。最も早く飛び始める関東・近畿・四国の南部と九州の北部では、2月10日が飛散開始予測日とされる。この「花粉飛散予測前線」は約1カ月かけて北上していくが、「飛散開始が1週間程度早くなる可能性がある」(村山専任主任技師)という。 また、花粉の生育状況が良いだけに「飛び始めと同時に、爆発的に飛散する可能性がある。ヒノキもよく育っているので、5月の連休までダラダラと多量の花粉が飛びそう」とNPO花粉情報協会理事長の佐橋紀男・東邦大学薬学部教授は分析する。
“狂い咲き”で11月も要注意
実はもう、スギ花粉は飛んでいる。
例年、秋に生育を終えたスギ花粉は、冬の寒波で休眠し、2月中旬から飛び始める。ところがここ数年、猛暑や暖冬といった異常気象の影響で、休眠を待たずに秋に花粉が飛散する“狂い咲き”現象が起こっているようだ。 特に今年は「すでに10月中にも2桁(1日、10平方センチメートル当たり)の花粉が観測された。これは過去に例がない」と佐橋理事長。秋の狂い咲きは「11月に一番多くなる。最高気温が20℃を超える暖かい日は要注意日」(佐橋理事長)という。
こうした状況を背景に、花粉症対策のサプリメントや機能性食品の商品開発が活発で、この冬は花粉症をめぐる商戦が激化しそうだ。
◆サプリメントでがん防げない!?逆に死亡危険度高まる人も
ビタミン剤や各種のサプリメント(栄養補助食品)を服用しても、消化器系のがんの発症率は下がらず、逆に死亡危険度が高まる人たちがいることを、セルビア・モンテネグロのニス大学の研究チームが突き止め、英医学誌ランセットで報告した。安易な栄養補助食品の使用に警鐘を鳴らす研究と言えそうだ。
従来の疫学調査14件を分析し、計17万人以上のデータを集めた。いずれの調査でもビタミンA、C、Eやβカロチン、セレニウムの服用状況をみているが、ビタミン剤などにみせかけたニセの成分を服用した人たちと比べ、本物を服用していた人たちで、食道、胃、大腸、直腸、すい臓、肝臓などのがんを防ぐ効果は確認できなかった。
逆に、服用した人のがんによる死亡危険度は、服用しない人より6%高かった。特にβカロチンとビタミンAをあわせて服用した場合は30%、βカロチンとビタミンEなら10%増加した。研究チームによれば、推計通りなら、これらを服用した場合、統計的には100万人のうち9000人の死期を早めることになるという。
(2004年11月8日 読売新聞 )
※ O−リングテストのできる先生に薬剤の相互作用や副作用・適量等を調べてもらってサプリメントを服用した方がいいです。
◆リンゴで血液サラサラに 効果を検証 発表へ
長野女子短大(長野市)と県農協グループの県農村工業研究所(須坂市)などは、リンゴが血液の流れを良くする効果がある―との共同研究結果を二十六日に都内で開かれる日本ヘモレオロジー(血流)学会で発表する。リンゴに含まれる食物繊維のペクチンが、血液中の赤血球の変形能(柔軟さ)を高めることなどが原因と考えられている。 同短大の山浦由郎客員教授(食品衛生学)らによると、研究は、同短大の学生二十二人を対象に実施。リンゴのふじを一日一個食べるグループと、リンゴ二個分の100%ジュースを一日約二百ミリリットル飲むグループ十一人ずつに分け、それぞれ一週間摂取した。摂取前と摂取後、摂取をやめて一週間後の三回採血し、毛細血管状の装置で血流の通過時間を調べた。
二十二人の通過時間の平均値は、リンゴ摂取前の六〇・八秒から摂取後は五三・四秒と、七・四秒縮まり、摂取をやめて一週間後には五八・一秒と再び長くなった。 果実を食べ続けたグループは摂取前と摂取後で平均一・一秒の短縮だったのに対し、ジュースを飲み続けたグループは平均二五・三秒の短縮だった。山浦客員教授は「ジュースの方がリンゴの摂取量が多く、吸収されやすいことなどが影響しているのではないか」と話している。
この研究チームは〇二年九月、キノコが血液の流れを良くするとの研究結果も発表している。(信濃毎日新聞2004.11.17)
◆アルツハイマー予防にリンゴ、毎日1個皮ごと食べる
【ワシントン=笹沢教一】毎日1個のリンゴが、アルツハイマー病など痴呆(ちほう)の予防に役立つ可能性がある。こうした実験結果を米コーネル大などの米韓共同チームがまとめた。
新鮮なものを生のまま皮ごと食べる方が効果が期待できるという。全米化学会の専門誌の来月1日号に掲載される。 研究チームによると、リンゴには高い抗酸化作用を持つ物質ケルセチンが多く含まれる。抗酸化物質には、アルツハイマー病の進行や脳細胞の老化などから、細胞を守る効果があるとされ、抗酸化力の高いケルセチンが特に注目されている。マウスの脳細胞を過酸化水素にさらした状態でケルセチンの効果を調べた実験では、抗酸化作用が高いとされるビタミンCよりも明確に高い効果が確認された。研究チームは「人の体内での働きなどを慎重に分析する必要がある」とする一方、実験結果をもとにした目安として、「1日あたり少なくとも1個食べれば体内の一定量が確保できる」としている。
(2004年11月18日 読売新聞 )
◆「痴呆」改め「認知症」 「蔑視的」指摘で厚労省変更へ
「痴呆(ちほう)」にかわる呼称を議論している厚生労働省の検討会(座長・高久史麿自治医科大学長)は19日、代替語を「認知症」とする方向でほぼ一致した。12月24日の次回会合で正式に決める。厚労省は決定後、介護保険法など関係法令を改正する一方、来春までに行政文書などでも「認知症」への切り替えを目指す。
「痴呆」という表現には蔑視(べっし)的な意味が含まれ、「何も分からず、何もできない」との誤解を招きやすく、早期診断などを妨げる一因との指摘があった。このため厚労省は6月から新たな呼称を検討してきた。
厚労省が挙げた六つの候補に対し、国民からの意見募集(計6333件)では「認知障害」「認知症」の順で多かった。ただ、「認知障害」は精神医学ですでに使われているとの専門医の指摘があり、この日の検討会では「認知症」を推す意見が過半を占めた。
意見募集では「痴呆」に対して一般用語や行政用語として使われる場合、不快感や軽蔑(けいべつ)した感じを伴うかどうかも尋ねた。その結果、「伴う」が56.2%、「感じない」が36.8%だったという。
(2004/11/20)
◆緑茶はアルツハイマー病の原因と考えられているβセクレターゼを阻害する
2004-10-26 17:23:26 緑茶や紅茶はアルツハイマー病の発病・進行に関わると考えられているアセチルコリンエステラーゼ(AChE)、butyrylcholinesterase
(BuChE)、βセクレターゼの働きを阻害する作用があると分かりました。2004年8月のPhytother Res誌に発表された研究成果です。
特に、緑茶のβセクレターゼ阻害作用は強力でした。紅茶のβセクレターゼ阻害作用は1日しか続かないのに対し、緑茶のβセクレターゼ阻害作用は1週間持続しました。
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+ Tea found to fight Alzheimer's enzymes / Nutraingredients
◆ハーブやサプリメントは眼の疾患を引き起こす恐れがある
2004-10-26 04:58:25 FDAに集積された有害事象や過去に発表された論文などをレビューした結果、Canthaxanthine,
カモミール(chamomile), チョウセン朝顔(Datura), エキナシア(Echinacea purpurea),
銀杏(Ginkgo biloba), 甘草(licorice), ナイアシン(niacin), ビタミンA(vitamin
A)等のハーブやサプリメントの使用に関連した眼疾患が報告されていると分かりました。2004年10月のAm J Ophthalmol誌に発表された研究成果です。この結果から、闇雲にハーブやサプリメントを摂取すると眼に重篤な疾患が生じる恐れがあると考えられました。医師はこのような副作用が生じることを予め認識しておくべきと著者等は主張しています。
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+ HERBAL, NUTRITIONAL SUPPLEMENTS LINKED TO OCULAR SIDE EFFECTS
/ Press Release
◆クランベリージュースは善玉コレステロールレベルを上昇させる
2004-10-26 23:24:08 18-70歳の太めでLDL(悪玉コレステロール)値が高い男性30人を対象にした12週間の試験で、クランベリージュースを飲むと善玉コレステロールであるHDLレベルが上昇するという結果となりました。
Laval UniversityのCharles Couillard等がCanadian Cardiovascular Societyの年次総会で発表した研究成果です。
クランベリージュースを飲むとHDLが8%上昇しました。この結果から、クランベリージュースは心循環器保護作用があると考えられました。
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+ Cranberry juice improves good cholesterol / NutraIngredients
◆赤ワインを飲んでいる人は肺癌にならない
2004-10-29 08:26:05 肺癌患者132人と非肺癌入院患者187人の食事、喫煙、仕事、アルコールの種類や摂取量などを比較したところ、赤ワインを飲んでいる人の割合は非肺癌入院患者で高く肺癌患者で低いという結果となりました。
スペインの研究者等が2004年11月のThorax誌に発表した研究成果です。 この結果から、赤ワインは肺癌を予防する可能性があると考えられました。逆に有意差はつかなかったものの、白ワインは肺癌のリスクを高める傾向が認められました。
ビール、蒸留酒、ロゼは肺癌の発現に影響を与えませんでした。
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+ Red wine 'wards off lung cancer' / BBC
◆Oregon健康科学大、イチョウ葉エキスの眼底出血を警告
42分米Oregon Health & Science University(OHSU)眼科学のFrederick
W.Fraunfelder助教授が、米食品医薬品局(FDA)の医薬品や食品の有害事象のデータベースを検索、ハーブサプリメントの利用が原因と見られる眼科領域での副作用を、米国の眼科専門誌American
Journal of Ophthalmologyの11月号に報告した。有害事象が出た例の中には、日本でも人気が高いカモミールエキス(直接塗布)やイチョウ葉エキス(飲用)などもあった。永続的障害こそなかったが副作用は多様で、一時的失明は見られた。副作用の主原因は、高用量使用と眼への局所適用だった。
◆中学生23%、小学生8% うつ病リスクの抑うつ症状
うつ病につながるリスクがある「抑うつ症状」が小学生の約8%、中学生の約23%にみられることが1日、北海道大大学院の伝田健三・助教授(児童精神医学)らの調査で分かった。こうした子供たちは「何をしても楽しくない」といった気分の落ち込みに加え「泣きたい気がする」「独りぼっち」などの悲哀感が強かった。
約3300人のデータを分析した結果で、小、中学生を対象にしたこれだけ大規模な調査は初めて。自殺志向を持つ子供が少なくないことも示され、思春期の心のケアに向けた教育現場の取り組みが強く求められる。 調査は学校の協力が得られた北海道の小、中学生を対象に実施。昨年10−12月に学校を通じて質問用紙を送り、小学生2175人、中学生1156人の計3331人が回答した。
◆歯周病悪化は早産の一因 炎症で出産促す物質増加
歯周病で歯茎の炎症が悪化した妊婦は、そうでない人より約5・1−5・7倍、早産や切迫早産になりやすいとする調査結果を、鹿児島大の和泉雄一教授(歯周病学)、大学院生の長谷川梢さんらが2日までに、まとめた。
炎症にかかわる情報伝達物質のサイトカインが血中で増え、子宮の収縮を誘発しているらしい。 早産の原因にはクラミジアなどの感染症や年齢などがあるが、2割程度は原因不明。研究グループの古市保志・同大助教授は「一部は歯周病が原因だろう。歯茎の炎症を治したら早産が10%から2%まで減ったとの外国の研究もある」として歯周病の治療や予防を呼び掛けている。
(共同通信) - 11月2日7時55分更新
◆コレステロール降下剤とグレープフルーツジュースを一緒に飲んではいけない
2004-11-02 19:03:02 「Merck社のZocor(simvastatin、シンバスタチン)やPfizer社のLipitor(atorvastatin、アトルバスタチン)とグレープフルーツジュースを一緒に飲むと生命を脅かす重篤な筋毒性が発現する恐れがある」という警告をUKのMedicines
and Healthcare Products Regulatory Agencyが発表しました。
グレープフルーツにはZocorやLipitorを代謝する酵素の働きを阻害する物質が含まれています。このため、グレープフルーツジュースとZocorやLipitorを一緒に飲むと血中の薬物濃度が上昇して筋毒性が発現します。グレープフルーツジュースはスタチン全般の血中濃度を上昇させますが、特にZocorやLipitorでリスクが高いとのことです。ただし、高用量のスタチンを服用すると、グレープフルーツに関わらず筋毒性のリスクが上昇します。これはZocorやLipitorだけでなく全てのスタチンに当てはまります。
◆大さじ2杯のオリーブ油で冠動脈性心疾患を予防、FDAがラベル表示を許可
米国食品医薬品局(FDA)は11月1日、オリーブ油やオリーブ油を含む食品に対し、冠動脈性心疾患の予防効果を示すラベル表示を許可した。これまでの研究結果から、飽和脂肪の代わりに、オリーブ油やオリーブ油を使った食品に含まれる一価不飽和脂肪を摂取することで、冠動脈性心疾患の発症リスクが減ることを示すエビデンスが得られたため。
具体的にFDAが許可した表示は、「1日約大さじ2杯(23グラム)のオリーブ油を摂取すると、それに含まれる一価不飽和脂肪のために、冠動脈性心疾患の発症リスクが減少する可能性がある。この可能性のある効用を得るためには、同等量の飽和脂肪の代わりにオリーブ油を使い、1日の総摂取カロリーは増やさないようにするのがよい−−」という趣旨の文言を含んでいる。
FDAは昨年から、ごく一般的に使われている食品に対する健康上の効用について、それを支持する信頼性の高いエビデンスがある場合には、ラベル表示を許可している。これは、食品の健康に対する影響を明記することで、消費者が正しい情報に基づいて食品を選択できるようにすることが狙い。同時に、食品会社に対しても、健康によい食品づくりを促す目的もある。 同制度に基づいてFDAが表示を許可した食品としては、オリーブ油は3番目。詳しくは、FDAのニュース・リリース
◆蜂蜜でも食中毒が起こる──トルコ
生の蜂蜜で体調がおかしくなるという報告が、トルコで相次いでいる。ツツジ科の植物の1種。「ロドデンドロン」(rhododemdron)の花から集めた蜂蜜で、生産地のトルコで、これを口にした人たちが、相次いで病院に運ばれていることがわかったと、雑誌「緊急医学ジャーナル」(Emergency
Medicine Journal)11月号が伝えている。
それによると、すでに19人の患者が救急治療を受けており、症状は、血圧と心拍数の急激な低下、吐き気、嘔吐、目まい、衰弱など。このうち4人は一時的に心停止に陥った。この蜂蜜は、同国の黒海沿岸地方で、古くから、胃腸の薬、あるいは、性的刺激剤として、使われてきた。しかし、この蜂蜜には「グラヤノトキシン」(grayanotoxin)と呼ばれる毒性の成分が含まれており、食中毒を引き起こすことでも知られていた。この食中毒は、主にトルコで起きているが、この蜂蜜を輸入している国もある。ただし、食中毒を起こすのは生(なま)の蜂蜜だけで、加工されたものは安全だという。
◆野菜スープ・ガスパーチョは血中ビタミンCレベルを上昇させる
2004-11-04 17:03:47 健常人12人にスペインの冷たい夏野菜スープ・ガスパーチョを2週間食べ続けてもらったところ、血中のビタミンCレベルが上昇し、酸化ストレスや炎症反応のバイオマーカーレベルが低下しました。2004年11月のJ
Nutr誌に発表された研究成果です。
この結果から野菜スープは酸化ストレスを緩和し、炎症性バイオマーカーを抑制することで、循環器疾患を予防したりストレスを緩和したりする効果があると考えられました。
‥> News Source
+ Antioxidant-rich soup cuts stress levels / Nutraingredients
◆オメガ3脂肪酸はアトピーの小児の咳を抑制する
2004-11-07 20:05:25 家族に喘息患者がいる喘息のリスクが高い小児616人を対象にした3年間の調査で、オメガ3脂肪酸のサプリメント補給はアトピーの小児の咳を10%抑制させるという結果が得られました。2004年20月のJ
Allergy Clin Immunol誌に発表された研究成果です。
また、オメガ3脂肪酸を補給している小児はハウスダストに対する感受性も7.2%低下していました。オメガ3脂肪酸は非アトピーの小児では咳を減らす作用はありませんでした。
‥> News Source
+ Omega-3s reduce cough in allergic children / NutraIngredients
◆がん治療:八木田・元近畿大教授を処分 癌治療学会
日本癌(がん)治療学会(北島政樹理事長)は28日、八木田旭邦・元近畿大教授が開発したとしている「新免疫療法」の治療成績データが、「患者に誤解を与える」として八木田氏を厳重注意処分にした。 八木田氏は「11.5%の患者のがんが消え、3分の1の患者でがんが半減する」と著書などで効果をうたっていた。【鶴谷真】毎日新聞 2004年10月29日 1時09分
◆坂を下る運動は坂を上る運動よりも有意に血糖値を下げる
2004-11-09 16:29:42 健常人45人を対象にした試験から、坂を下る運動は坂を上る運動よりも有意に血糖値を下げるとわかりました。オーストラリアのVoralberg
InstituteのHeinz Drexel等がAmerican Heart Associationで発表した研究成果です。LDLコレステロールは坂を上る運動でも下る運動でも同様に下がりました。坂を上る運動ではトリグリセリド値が低下しました。
研究者等は糖尿病患者を対象にして、坂を下る運動が実際に血糖値を下げれるかどうかを調べたいと考えています。
‥> News Source
+ Different Exercise Makes for Different Effects / Reuters
◆αリノレイン酸が豊富な食品は女性の心臓病予防に効果的、たくさん摂る人は心突然死が半減
ω3脂肪酸の1つであるαリノレイン酸を豊富に含む食生活をしている女性は、心突然死や冠状動脈疾患による死亡リスクがあまり摂らない女性に比べ、46%も低いことが、8万人弱の女性を16年間追跡した米国の観察研究の結果、明らかになった。しかも心血管疾患の既往歴がある場合は、心突然死リスクが3分の1以下と極めて低く、2次予防効果も期待できる。11月8日のポスターセッションで、ハーバード大学医学校助教授のChristine
Albert氏(写真)が発表した。 Albert氏らの研究グループは、米国の看護師の女性を対象とした健康調査研究であるNurse's
Health Studyに登録した女性のなかで、1984年に食事調査に回答した女性7万6763人を16年間追跡した。
追跡期間中、169人が心突然死し、564人が冠状動脈疾患により死亡、1325人が死亡に至らない心筋梗塞発作を起こした。 調査対象者をαリノレイン酸の摂取量で5群に分け、それぞれの群の心疾患リスクを比較した。最も摂取量の少ない群は、摂取量の中央値が1日の摂取エネルギー量の0.37%で、順に、0.45%、0.52%、0.60%とし、最も摂取量の多い群は中央値が0.74%とした。最も少ない群の摂取量は1日当たり0.7g、最も多い群は1.5gを摂取していることになる。
最も摂取量の少ない群を1とした心突然死の相対リスクは、年齢、喫煙量、BMI、閉経、ビタミン摂取などの心血管疾患リスク要因で調整後も摂取量が多いほど有意に低下し、最も摂取量の多い群では43%と有意に低かった。冠状動脈疾患による死亡リスクも同様で、最も摂取量の多い群では23%低かった。こちらは個々の相対リスク低下は統計的有意ではないが、トレンドは有意に低下傾向を示した。心突然死、冠状動脈血管死亡のいずれも、他の脂肪酸摂取について調整後でも有意に低下傾向を示した。死亡に至らない心筋梗塞についてはαリノレイン酸摂取量との関連は見られなかった。 αリノレイン酸は葉野菜やナッツ、キャノーラ油などに豊富に含まれ、日本人ほど魚を食べない欧米人にとっては摂取しやすいω3脂肪酸なので、αリノレイン酸がDHAやEPAなどの摂取量を調整しても心疾患死亡の予防に有効であることを示唆する本研究はインパクトが強いと言える。
さらに興味深いのは、αリノレイン酸摂取が心突然死については2次予防も有効であることを示唆する結果が得られていることだ。年齢と心血管疾患リスク要因で調整後、最も摂取量の少ない群に対して最も摂取量の多い群の心突然死リスクの相対リスクは68%も低かった。 本研究は観察研究であり、Albert氏は、「αリノレイン酸を推奨するには今後の(介入)研究が必要」としていたが、循環器系疾患を抱えている魚嫌いの女性は、αリノレイン酸リッチな献立を心がけても損はなさそうだ。(中沢真也)
◆1日400IU(267mg)以上のビタミンEは有害:サプリ好きの米国民に衝撃走る
1日当たり400IU、α-トコフェロール換算で267mg以上のビタミンEを摂取した場合、総死亡率が10%程度増える。AHAが11月10日、研究報告についての記者会見と同時に発表したこのニュースを米メディアはこぞって一面扱いで取り上げた。健康の増進や回復を願って、健康メディアや一部医師の勧めるままに高容量のビタミンEを取り続けてきた人々が受けたショックの大きさは想像に難くない。
欧米を中心に世界各国で実施されたビタミンEに関する臨床試験結果を報告した19論文に基づくメタアナリシスに基づく研究で、11月10日のポスターセッションで、米Johns
Hopkins Medical UniversityのEdgar Miller氏らが報告した。 Miller氏らの研究グループは、1966年から2004年8月の間に発表されたビタミンEに関する論文のうち、1年間以上の追跡期間、10人以上の死亡が報告されている、死亡率が報告されている、などの条件を満たす無作為化プラセボ対照試験19論文について解析を行った。試験実施国は米国、欧州、オーストラリア、イスラエル、中国などで試験参加者は合計13万5967人。臨床試験のうち、1日400IU以上のビタミンEを投与していたのが11試験、400IU未満が8試験だった。 解析の結果、ビタミンE投与量と総死亡率には正の相関関係が見られた。1日投与量がおおむね150IUを超えると非投与群より死亡率が高くなり、400IU以上では顕著に増加していることが分かった。
400IU以上の投与を行った11論文の合計では、プラセボに対して総死亡は1万人あたり39人多く、相対リスクは1.04(CI:1.01-1.07、P=0.035)で有意な増加が見られた。400未満の8論文の合計では、総死亡はプラセボ群に対して1万人当たり16人少なかったが、相対リスクは0.98(CI:0.96-1.01、p>0.2)で有意な差は得られなかった。
この報告のもっと深刻な衝撃は、本報告で有害性が指摘された400IUという用量が、米国栄養評議会(CRN)や日本の厚生労働省が規定したビタミンEの1日当たり許容上限摂取量を下回っていることだ。 CRNではビタミンEの1日推奨摂取量を15mg(約23IU)、1日許容上限摂取量を1000mg(約1500IU)としている。日本でも第6次改定日本人の栄養所要量の中でビタミンEの推奨摂取量を男性10mg(約15IU)、女性8mg(約12IU)、許容上限摂取量を600mg(約900IU)と定めている。日本では現在、第7次栄養所要量の策定が進められているが、日米当局とも次期改定に当たっては何らかの形で本報告の反映を検討せざるを得ないだろう。 本報告については、AHA2004での発表と同時に、米国内科医会のAnnals
of Internal Medicine誌が、2005年1月4日号に掲載予定の原著論文を11月10日付けでWebサイトに早期掲載した。現在、こちらで全文を閲覧できる。AHAのニュースリリースはこちらまで。(中沢真也)
◆赤ワインを飲むと肺ガンの予防になる
赤ワインが肺がんの予防にも、役に立っているという研究成果が発表された。
研究を行ったのは、スペインのサンチアゴ・デ・コンポステラ大学のホアン・バロス教授らで、学術誌「胸郭」(Thorax)11月号で発表した。研究者たちは、スペインのサンチアゴ・デ・コンポステラ地区の肺ガン患者132人と、肺ガンでない入院患者187人を対象に、ワインを飲む習慣と病気との関係について調べた。その結果、赤ワインを飲んでいる人は、肺ガンを発病する割合が、赤ワインを飲んでいない人より小さいことがわかった。違いはそれほど大きくはないが、統計的に有意差があった。
ただし、効果は赤ワインのみで、白ワインを飲んでいる人は肺ガンになる割合がむしろ高かったという。赤ワインが、肺ガンに対して予防的に働くのは、赤ワインに含まれているタンニン類やレスベラトロールなどの抗酸化物質による作用ではないか、と研究者たちは言っている。
◆大豆タンパク質摂取量が豊富な女性ほどLDL(悪玉)コレステロールのレベルが低い
2004-11-15 18:46:00 European Prospective
Investigation into Cancer and Nutritionのオックスフォード群の女性1033人を対象にした調査で、大豆タンパク質摂取量が豊富な女性ほどLDL(悪玉)コレステロールのレベルが低いという結果となりました。
2004年11月のAm J Clin Nutr誌に発表された研究成果です。 大豆タンパク質を毎日6mg以上摂っている女性は0.5mg/日未満の女性に比べてLDLコレステロールが12.4%低くなっていました。
‥> Reference
Soy intake and blood cholesterol concentrations: a cross-sectional
study of 1033 pre- and postmenopausal women in the Oxford arm
of the European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition.
Am J Clin Nutr. 2004 Nov;80(5):1391-6.
◆妊娠3-6ヶ月に鎮痛剤を使用した母親の子供は統合失調症になりやすい
Copenhagen Perinatal CohortとDanish Psychiatric
Central Registerに登録された7999人のデータを解析したところ、second-trimester(妊娠3-6ヶ月目)に鎮痛剤を使用した女性の子供は統合失調症に4.75倍なりやすいという結果となりました。
2004年11月のBr J Psychiatry誌に発表された研究成果です。
‥> Reference
Association between prenatal exposure to analgesics and risk of
schizophrenia. Br J Psychiatry. 2004 Nov;185:366-71.
◆バナナも「アレルギーの恐れ」 厚労省が使用表示を推奨
バナナが食物アレルギーを引き起こす恐れがあるとして、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会表示部会は16日、加工食品などに使用する場合、原材料にバナナが含まれていることを表示するよう、製造業者らに推奨することを決めた。 食物アレルギーを起こす恐れのある食品は、卵や小麦が知られている。食物中のたんぱく質に体が過敏に反応し、食べた後で湿疹や下痢のほか、重症の場合は呼吸困難、血圧低下などに陥る。
発症者が増えていることから01年、卵と乳、小麦、ソバ、落花生の5品目は、使用した際に原材料で表示することを食品衛生法で義務づけた。また、過去に発症報告があったキウイフルーツやクルミ、サバ、大豆など19品目の表示を推奨してきた。
◆前立腺肥大症にやっぱりノコギリヤシが効いた──米ハーバード大学
前立腺肥大症による症状の進行を食い止めるためにどうすればいいのか。毎日の暮らしのなかで何に気をつけるればいいのか、についての最新の知識
が、ハーバード大学から出版されている男性健康雑誌「ハーバード・メンズ・ヘルス・ウォッチ」11月号に掲載された。
この記事では、前立腺の障害にいいとされているサプリメントについて、これまでに発表された試験を分析した結果が紹介されている。それによると、数種類のハーブを比較したところ、一般に前立腺の障害に効くといわれている「セイヨウノコギリヤシ」が、やはり最も効果があることがわかった。
セイヨウノコギリヤシの利用によって、夜間の排尿回数が平均25%減少し、前立腺肥大症にともなう不快な症状が28%軽減されており、副作用も問題はないという。
◆睡眠時間が少ないと肥満になる
1982-1984年、1987年に実施されたアメリカのNational Health
and Nutrition Examination Surveyに参加した32-59歳の6115人を対象にした調査で、睡眠時間が少ないと肥満になるという結果になりました。North
American Association for the Study of Obesityの年次総会で発表された研究成果です。正常な睡眠(7-9時間)の人に比べて、睡眠時間が2-4時間、5時間、6時間の人はそれぞれ73%、50%、23%肥満になりやすいという結果となっています。一方10時間以上眠る人は肥満に11%なりにくいという結果となりました。2004年11月のJournal
of Clinical Endocrinology and Metabolism誌には別の研究者等によって、睡眠時間が減ると食欲を抑制するホルモン・レプチンのレベルが低下するという研究成果が発表されています。
‥> News Source
+ Nightmare of too little sleep is tied to too much weight / USA
Today
◆ビタミンCサプリメントを大量に摂取している閉経後糖尿病女性は循環器疾患で死亡するリスクが高い
2004-11-17 20:39:50 閉経後の糖尿病女性1923人を15年間追跡調査した結果、サプリメントとしてビタミンCを大量に摂っている人は心臓病や脳卒中で死亡するリスクが高くなると分かりました。2004年11月のAm
J Clin Nutr誌に発表された研究成果です。サプリメントとしてビタミンCを300mg/日以上摂っている人はビタミンCサプリメントを服用していない人に比べて心臓病または脳卒中で死亡するリスクが2倍高いという結果となっています。通常の食事から得るビタミンCレベルと心循環器疾患による死亡に相関はありませんでした。
ビタミンCの毎日の推奨量は男性90mg、女性75mgです。
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+ Vitamin C may increase mortality in diabetic women / NutraIngredients
◆飲む中絶薬で卵管破裂危険…厚労省が警告
インターネットを通じて個人輸入の形で販売されている国内未承認の「飲む中絶薬」について、厚生労働省は18日、ホームページで、敗血症などの細菌感染症と卵管破裂の危険性があると警告した。
この薬は「RU486」。今年6月、香川県の20代女性から「出血が止まらない」などと被害報告があり、同省は先月25日、出血多量などの副作用の恐れがあるとして、安易な服用を避けるよう呼びかけていた。
(2004年11月19日 読売新聞 )
◆ブドウジュースはHDLコレステロールレベルを上げる
2004-11-19 00:18:44 標準的な薬物で治療されている冠動脈疾患患者20人を対象にした2重盲検クロスオーバー試験(2週間→14日のウォッシュアウト→2週間)で、ブドウジュース(Welch)はHDLコレステロールのレベルを上げ、超酸化物(フリーラジカル)とCD40(血小板から分泌される炎症性の物質)のレベルを抑制するという結果になりました。
2004年11月のArterioscler Thromb Vasc Biol誌に発表された研究成果です。 CD40は血小板から分泌される物質で、動脈硬化や血管の炎症に関与すると考えられています。試験では、被験者はWelchのブドウジュースを7cc/kg/日飲みました。
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+ Grape juice increases good cholesterol / NutraIngredients
◆秘訣は「野菜、果物、豆」 長寿県福井でフォーラム
2000年の厚生労働省の調査で都道府県別の平均寿命が男女とも2位だった福井県が20日、「長寿」をアピールするためのフォーラムを福井市内で開き、長寿の秘訣(ひけつ)をめぐって活発な意見が交わされた。 フォーラムには、約300人が参加。冒頭、京都大の家森幸男名誉教授が「健康長寿の謎を探る」と題して講演し世界各地の食事を紹介。「野菜、果物、豆を食べることが長寿の秘訣。遺伝ではなく、(生活)環境が大事だ」などと話した。
パネルディスカッションでは、平均寿命調査で上位に並ぶ県の研究者らが「沖縄の『おばあ』はすごくパワフル。食文化や相互扶助の風習が生きている」「長野では食生活指導など保健予防活動が盛んだ」などと長寿の原因を分析した。(共同通信)
- 11月20日17時45分更新
◆海藻取り過ぎ注意 新生児の甲状腺に影響 熊大病院グループ発表
熊本大付属病院小児科の西山宗六講師(55)のグループは、妊婦が昆布やノリなどの海藻類に含まれるヨード(ヨウ素)を取り過ぎると、新生児が胎内で甲状腺(せん)に障害を受ける可能性があることを、このほど国内の学会で発表した。近くアメリカの専門誌にも掲載される。西山講師は「妊娠中の女性は摂取を控えてほしい」と注意を呼び掛けている。
新生児のほとんどは、先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)の早期発見のため、甲状腺刺激ホルモン(TSH)値を測定する。西山講師らは同検査でクレチン症ではないが、TSH値が高いケースが多いことに着目。ヨードが甲状腺機能を抑制することから、二〇〇〇(平成十二)年四月〜〇三年三月の新生児の検査結果を基に、TSH値と、母親の妊娠中のヨード摂取量の関係を調べた。
その結果、甲状腺機能は低下していないのにTSH値が高い新生児の場合、母親の一日当たりのヨード摂取量は平均一・八一ミリグラムで、最大値は五・四五ミリグラム。平均値は、正常な新生児の母親の約六倍だった。このことから、西山講師らはヨードの過剰摂取が胎児の甲状腺に障害を与え、TSH値を高くしている可能性があると結論づけた。
西山講師によると、甲状腺に障害を受けた新生児は、TSHの血中濃度が上昇する高TSH血症になる。すぐに何らかの症状が出ることは少ないが、一、二カ月おきに採血検査しなければならず、九割は甲状腺ホルモンを一生服用する必要が出てくる。服用せずに成人すると、コレステロール値や中性脂肪値が高くなり、動脈硬化につながる。女性の場合は妊娠しにくく、流産しやすい体質になるという。
厚生労働省が定めるヨードの一日必要量は、昆布十グラムの含有量に相当する〇・一五ミリグラムで、上限は三ミリグラム。世界的には不足しやすい栄養素だが、日本の食生活では、意識的にヨードを取らなくても必要量を満たすことができ、むしろ過剰摂取になることが多いという。
西山講師は「検査や服薬のストレスは並大抵のものではない。海藻類は有益な食品だが、妊娠中の女性は摂取を控えてほしい。市販のだし類やめんつゆ類、カップめんなど、昆布エキスを含む食品は多く、知らないうちに摂取していることも十分認識してほしい」と話している。
◆ウオーキングでぼけ防止
楽な速さで毎日規則的に歩いているお年寄りは、頭がシャープで、痴呆を起こしにくいことを証明する研究が発表された。一つは、ハーバード大学公衆衛生学部の疫学者、ジェニファ・ウーブ博士が行った研究者で、70歳から81歳までの高齢女性1万8000人を対象に、体を動かす習慣と健康状態について、12年間追跡調査した。その結果、定期的に、楽な速さで歩いている高齢女性は、頭脳のシャープさなど、一般的な精神的活動が、数年も若いことがわかった。例えば、1週間に少なくとも6時間歩いている女性は、あまり体を動かしていない女性よりも、痴呆など精神的障害を起こす割合が20%低かった。
◆携帯電話を10年以上使うと聴神経腫の危険が2倍に
スウェーデンの医学研究機関Karolinska Institutetが、アナログ携帯電話機と聴神経腫の関係について調査した結果を現地時間10月13日に発表した。携帯電話機を10年以上使っていると、聴神経腫の発生する危険性が2倍になるという。使用期間が10年未満だと、発生率に差はなかった。聴神経腫は主に聴神経に発生する良性腫瘍で、脳/脊髄腫瘍の一種。進行が遅く、診察で見つかるまでに数年かかるという。良性なので転移することはないが、大きくなると難聴、めまい、顔面神経麻痺、三叉神経痛などの症状が出る。成人の発生率は1年間で10万人に1人未満。調査は約150人の患者と約600人の健常者を対象に行った。アナログ方式の携帯電話機を10年以上使用した人の場合、発生の危険性が通常の約2倍あった。携帯電話機を片方の耳だけで使っていると、そちら側で発生する危険性が約4倍に高まる。反対側の発生率に変化はなかった。なお、調査対象としたのはNMT方式のアナログ携帯電話機であり、「通常のアナログ電話機やGSM方式デジタル携帯電話機と、聴神経腫との関係については不明」(Karolinska
Institutet)である。〔2004年10月
15日 17時58分〕
◆ブラジルに「124歳」女性ギネス記録10歳上回る
ブラジル国内の様々な最高記録を集めて認定している「ランクブラジル」が、南部パラナ州に住む女性を124歳だと認定した。ギネスブックにも申請予定で、認められれば現在、世界最高齢とされるオランダ女性の114歳を10歳上回るという。
女性はマリア・オリビアさん。同州アストルガに住んでいる。マリアさんが持っている出生証明書によると、生まれたのは1880年2月28日。視力が落ち少し衰弱しているが、自分の足で立つこともでき元気だという。
地元紙などによると、おしゃべり好きで明るい性格。知人のひとりは「彼女の記憶力には脱帽する」と話す。60年代に自分の家が火事になったことなど、人生の思い出話をするのが好きだ。
2度結婚し、4人の養子を含む14人の子供を育て上げた。食欲も旺盛でよく眠る。「長生きして、世界がもっと平和になるのを見たい」と周囲には話しているという。
(2004/10/14)
◆カフェインは腎臓結石のリスクを増加させる
腎臓結石を持つ39人と腎臓結石をもたない9人を対象にした試験から、カフェインは腎臓結石のリスクを増加させるとわかりました。
2004年8月のJ Urol誌に発表された研究成果です。 カルシウムが尿中により分泌されると腎臓結石がおきやすくなります。一方、マグネシウムやクエン酸塩の分泌増加は腎臓結石をおきにくくします。
‥> Reference
Acute caffeine effects on urine composition and calcium kidney
stone risk in calcium stone formers. J Urol. 2004 Aug;172(2):555-8.
◆βカテニン、ビタミンA、C、E、セレン等の抗酸化剤に胃腸癌予防効果はない
患者数を合計すると170,000人以上になるランダム化臨床試験14報告をメタ解析した結果、βカテニン、ビタミンA、C、E、セレン等の抗酸化剤の単剤または併用に食道癌、胃がん、結腸直腸がん、膵癌、肝臓癌を予防する効果はないという結果となりました。ただし、唯一セレンは胃腸癌を予防する可能性があるという結果となっています。2004年10月2日のLancet誌に発表された研究成果です。
今回の解析結果によると、予防する効果がないだけならまだしも、βカテニンとビタミンAまたはβカテニンとビタミンEを併用すると癌による死亡率が上昇していました。14報の試験のうち4報で、セレニウムに胃腸癌を予防する効果があるという結果となっています。しかし明確な差はついていないため、セレニウムの効果についてはさらに調べていく必要があると研究者等は主張しています。
◆微量元素セレニウム(selenium)はガンを予防する
「木の実、野菜、穀物などに多く含まれる微量元素は癌抑制タンパク質・p53の活性を増加させて癌化を抑制する」という実験結果がインディアナポリスにあるインディアナ大学の研究者(Martin
L. Smith)によってPNAS誌の速報として発表されました。
実験結果から、セレニウムによるp53タンパク質の活性化にはRef1タンパク質の協力が必須であることも明らかとなりました。
◆クランベリージュースは女性の尿路感染症を防ぐ
クランベリージュースは女性の尿路感染症を防ぐ作用があることを示す研究成果をAnnual
Meeting of the Infectious Diseases Society of America (IDSA)でUniversity
of Washingtonの研究者等が発表しました。研究者等はクランベリー27%を含むジュースを3人の女性に飲んでもらい、6時間後に3人の尿を回収しました。その尿で尿路感染症を引き起こすバクテリアを培養し、培養した大腸菌を膀胱細胞に接触させました。その結果、クランベリージュースを飲む前の尿で培養した大腸菌に比べて、クランベリージュースを飲んだ後の尿で培養した大腸菌は膀胱細胞にあまりくっつきませんでした。
クランベリージュースの大腸菌を遠ざける力は、クランベリージュースの摂取量に比例しました。フランス政府はクランベリーの尿路感染症治療効果を早々に認めています。
‥> News Source
+ More cranberry is more powerful against urinary infections /
Nutraingredients
◆クランベリーはヘルペス治療効果がある
クランベリーの一種・コケモモに含まれるproanthocyanidin A-1という物質は、陰部ヘルペスの原因であるHSV-2が宿主の細胞に感染するのを防ぐ作用があると分かりました。2004年10月15日のJournal
of the Science of Food and Agriculture誌オンラインバージョンに発表された研究成果です。コケモモはこの他に胃の病気にも使われますし、乾燥させた花は肺疾患の治療薬として使用されます。
◆イソフラボンは乳癌の転移を抑制する作用がある
2004年9月24日のNutraingradientsによると、大豆由来のイソフラボンは乳癌細胞の転移を防ぐ作用があるという細胞実験の結果が発表されました。University
of UlsterのPamela Magee等による研究成果です。東南アジアの人々のレベルでイソフラボンは乳癌細胞の転移を防ぐ作用がありました。この結果から、大豆製品を多く摂ると乳癌をはじめとして癌の転移を防げると考えられました。また、去年の10月には、イソフラボンまたは大豆の植物化学物質濃縮物は用量依存的に腫瘍の増殖を防ぐという研究成果がハーバード大学の研究者等によってInternational
Journal of Cancer誌に発表されています。
‥> News Source
+ Soy could stop spread of breast cancer / NutraIngredients
◆赤ワインは前立腺ガン予防にもいい
米シアトルにある「フレッド・ハンチンソンがん研究センター」の報告によると、毎日赤ワイン1杯程度飲んでいる人は、前立腺ガンになる割合が小さいことがわかった、という。研究者たちは、シアトル地域に住む40歳から64歳までの男性750人を対象に、アルコール類を飲むか、飲むならどういうアルコール飲料か、について面談をして、調べた。この人たちは全員、前立腺ガンと診断されて間もない人たちだった。
同時に、健康な同年代の男性703人についても調べた。こうして得られたデータを分析したところ、赤ワインを週に4杯以上飲む人では、前立腺ガンになるリスクが。はっきりと小さいことがわかった。毎日赤ワイン1杯の割合で飲んでいる人では、前立腺ガンのリスクが50%小さかった。
◆ワインにはアルツハイマー病を防ぐペンタペプチドが含まれている
日本の研究者・Michikatsu Sato等が、アルツハイマー病の発病に関わるProlyl
EndoPeptidase (PEP) という酵素を阻害するペンタペプチド(pentapeptide)がワインに含まれていることを発見しました。PEPはプロリンを含むペプチドを選択的に切断する酵素で、記憶や学習に関わるホルモンを切断します。今回の結果から、ワインのペンタペプチドはvasopressin,
substance P, neurotensin fragments 8-13といったホルモンレベルの低下を防ぐことが確認されました。またアルツハイマー病患者の脳内に認められるAβを生成する可能性も示唆されています。Sato博士は、昨年までメルシャンの研究所で働いていました。今回の研究成果は2003年2月のBiosci
Biotechnol Biochem誌に発表されています。今回発見されたペンタペプチドが最も多かったのはメルローのワインでした。
◆ワインは高血圧男性の死亡リスクを下げる
1978-1985年にフランスCenter for Preventive Medicineで診察をうけた健常男性36,583人を13-21年間追跡調査した結果、ワインを毎日適度(アルコール量が60g未満/日)に飲んでいる高血圧男性は全く飲まない男性に比べて長生きすると分かりました。2004年9月のAm
J Clin Nutr誌に発表された研究成果です。収縮期血圧が158、139、116mmHGでワインを適度に飲んでいた男性は飲まない男性に比べて死亡するリスクがそれぞれ23、27、37%低下しました。
‥> News Source
+ Wine drinking seen to reduce mortality in those with high BP
/ Nutraingredients
◆白内障予防に赤ワイン サントリーなどが研究発表
サントリーは18日、赤ワインが白内障の予防に効果があるとの研究結果を発表した。金沢医科大学、国立アイスランド大学医学部の共同研究で明らかになったもので、このほど、ドイツで開かれた学会で報告した。 調査はアイスランドのレイキャビクで、50歳以上の841人を対象に実施。月1回以上酒を飲む人と飲まない人に分けて、白内障の診断をした。白内障にかかる率は、飲酒の有無では大きな違いが見られなかったが、赤ワインを飲む人は酒を飲まない人の約半分にとどまった。赤ワインのどの成分に予防効果があるかが分かれば、医薬品への応用も期待できるため、サントリーは「因果関係を明らかにしたい」としている。 白内障は目の水晶体が濁る病気。金沢医科大では国内の50歳以上の白内障患者は、2003年で2700万人と推計している。 [共同通信]
◆黒酢は大腸癌細胞の増殖を抑制する
大腸癌細胞、肺癌細胞、乳癌細胞、膀胱癌細胞に対する黒酢抽出物の効果を調べた結果、黒酢は大腸癌細胞の増殖を最も顕著に抑制すると分かりました。2004年3月のJ
Exp Clin Cancer Res誌に発表された研究成果です。研究の結果、黒酢抽出物はp21を誘導することによって癌細胞に細胞死をもたらしていると考えられました。
◆朝鮮人参の抽出物質から作られたCold-fXは風邪やインフルエンザを予防する
43 323人を対象にした1年間のプラセボ対照試験から、朝鮮人参の抽出物質から作られたCold-fXは風邪やインフルエンザを予防する効果があると分かりました。
Cold-fXを1日2カプセル服用すると、風邪の頻度が26%低下し、風邪の再発は56%防げました。また風邪の日数は45%低下し(Cold-fXで6日、プラセボで10.9日)、重症度は31%低下しました。
Cold-fXはCV Technologies社が開発しています。
CV Technologies社はChemBioPrintというテクノロジーを用いて、カプセルあたりの有効成分が一定量になることを保障しています
◆ウエストナイルウイルス、ついにハワイに到達
1999年に突然ニューヨークで発生して以来、米大陸を西へ南へと、5年かけて次第に広がって行ったウエストナイルウイルスが、ついに海を隔てたハワイ州に到達した。10月5日伝えられたところによると、この程ハワイ・マウイ島のカフルイ空港で捕獲された野生のスズメからウエストナイルウイルスが検出された。ハワイ州でウエストナイルウイルスが報告されたのは初めてで、米西海岸から、ウエストナイルウイルスに感染したスズメが、なんらかの形で航空機に乗って飛来したためと見られている。航空貨物に紛れ込んで、スズメが“ヒッチハイク”したのではと言われている。
昨年(2003年)には、全米で約1万人がウエストナイルウイルスに感染し、うち20%が、高熱、吐き気、関節痛などん脳炎様の症状を訴え、260人が死亡している。
◆2004.10.15 米NIH、サプリメントの最新エビデンス集を公開 ビタミンD、魚油、緑茶などの健康効果を紹介
米国国立衛生研究所(NIH)の栄養補助食品室(ODS:Office of Dietary
Supplements)は10月8日、食品成分の健康効果に関する最新の研究成果を取りまとめた報告書を発表した。 この報告書は、2003年に発表された食品成分関連の論文から、特に優れたものを25報、厳選して紹介している。ODSは2000年から毎年、同様の報告書を公表しており、今回が5冊目。報告書はインターネット上で公開されており、だれでも閲覧できる。 ODSは、1994年に米国で制定された栄養補助食品健康・教育法(DSHE法)に基づいて、1995年に設置された。1.食品成分の健康効果に関する情報を集め、専門家や一般消費者向けのデータベースを作る、2.集中して研究すべき有望な食品成分を選定する−−などの業務を行っている。
報告書で取り上げた論文は、すべて査読者が存在する学術誌に掲載されたもの。2003年版では、英医学誌「Lancet」、米国医師会誌「JAMA」、米科学誌「PNAS」など一流の学術誌34誌に掲載された300報以上の論文を、45人の専門家が審査して、最も優れた25報を選んだ。 今回選ばれた論文の研究分野は、1.骨と関節、2.ガン、3.心臓病、4.炎症性の病気、5.胎児・新生児の健康−−の5分野。ビタミンDの骨折予防効果や、魚油やシソ油などに多いオメガ3系多価不飽和脂肪酸(PUFA)の動脈硬化巣安定化効果、緑茶のコレステロール低下効果など、日本でも注目を集めた研究結果が紹介されている。 また、これまでは「ビタミン」「抗酸化成分」など成分別の分類だったが、今年から健康効果別の分類へと変わり、消費者や医療従事者がより利用しやすい形になっている。 この報告書の名前は「Annual
Bibliography of Significant Advances in Dietary Supplement Research
2003」。(内山郁子)
◆鉄分が不足しても多すぎてもパーキンソン病になる
鉄分の摂取量が多すぎたり少なすぎたりするとパーキンソン病になるリスクが高くなると考えられました。
2004年10月2日のExperimental Neurology誌オンラインバージョンに発表された研究成果です。 鉄分摂取を制限したマウスはパーキンソン病を引き起こすMPTPという物質を投与してもドパミンレベルの低下や運動障害はおきませんでした。しかしながら、鉄分を制限したマウスでは、p53を介した神経細胞死が原因と想定されるドパミンレベルの低下が認められ、運動障害も生じました。
‥> News Source
+ Iron imbalance linked to Parkinson's disease / Nutraingredients
◆喫煙で歯周病の危険増大 歯科医学会が脱たばこ宣言
日本歯科医師会の会員らでつくる日本歯科医学会は15日までに、喫煙によって歯周病などの危険が高まる上、治療効果も大きく低下するとして、たばこ社会からの脱却を呼び掛ける「脱たばこ宣言」をまとめた。横浜市で29日から開く総会で公表する。
厚生労働省の統計によると、国内の2002年の喫煙率は約24%(男性は約43%)で減少傾向にあり、受動喫煙への対策を求めた健康増進法も昨年5月に施行された。しかし、同総会準備委員長の須田英明東京医科歯科大教授は「口腔(こうくう)保健や医療の面での取り組みは、まだ十分とは言えない」と宣言を出す理由を説明している。
(共同通信) - 10月15日17時23分更新
◆喫煙で関節リウマチ発症リスクが増大
関節リウマチ(RA)に遺伝的素因のある人では、喫煙によってRAリスクが大幅に高まることが医学誌「Arthritis
& Rheumatism」10月号掲載のスウェーデンでの研究で判明した。 研究者らはRA患者858人および健常者1048人全員から血液サンプルを採取し、RAの主要な危険因子である共有エピトープ(SE)遺伝子および明確な特徴であるリウマチ様因子を調べるとともに、喫煙など生活習慣についての情報を得た。
その結果、RAリスクはSE遺伝子を持つ喫煙者が7.5倍、SE遺伝子を2つ持つ喫煙者が15.7倍で、SE遺伝子を持つ非喫煙者が2.8倍であった。また、SE遺伝子を持たない喫煙者では2.4倍であった。本研究は、RAその他の自己免疫疾患に寄与する因子についての重要な情報を提供する一方で、複合性疾患の遺伝的解析に環境曝露に関するデータを含める必要性を強調している。
[2004年10月7日/HealthDayNews]
◆ブロッコリーの芽に含まれる成分・スルフォラファンは膵癌治療効果がある
膵癌のモデルマウスでの実験で、ブロッコリーの芽に含まれる成分・スルフォラファンは膵癌を縮小させる効果があるという結果となりました。2004年10月のMol
Cancer Ther誌に発表された研究成果です。実験の結果、スルフォラファンは細胞死を誘導し、細胞周期を止めるなどの作用により膵癌を縮小させると考えられました。免疫不全のマウスを用いた実験で、スルフォラファンは腫瘍サイズを40%縮小させました。
◆飲みすぎは不整脈を招く
Danish Diet, Cancer, and Health Studyに参加した47,949人を対象にしたおよそ5.7年間の前向き追跡調査から、アルコールの摂取量が多い男性は心房細動または心房粗動になりやすいという結果となりました。女性ではアルコール摂取量と心房細動または心房粗動に相関はありませんでした。2004年10月のArch
Intern Med誌に発表された研究成果です。アルコール摂取量に応じて男性を5群にわけた場合、一番飲んでいる群のアルコール摂取量は68.7g/日でした。最も飲んでいない群では4.1g/日でした。最も飲んでいない群と比べて、最も飲んでいる群では心房細動または心房粗動になるリスクが1.46倍高くなっていました。
◆ウコン摂取で肝障害 肝硬変の60代女性、症状悪化し死亡
機能を高めるはずが…
肝機能を高めるとされるウコンを粉末にした健康食品の摂取をきっかけに、東京都内に住む肝硬変の六十代女性の症状が悪化し死亡していたことが、東京逓信病院による同病院の患者が対象の調査で十八日分かった。 調査では、このケースを含めて平成八年以降、十一人がウコンとの因果関係が疑われる肝障害を発症。厚生労働省研究班の調査でも比較的安全性が高いとされているウコンによる肝障害が相次いでいることから、同省は対応を検討している。
同病院によると、原因は不明だが、代謝物質が肝臓に負担をかけたり、アレルギー反応を起こしたりした可能性があるほか、摂取開始で気がゆるみ生活習慣が乱れたことも考えられるという。 死亡例などを除いて使用をやめると改善。同病院では「もともと肝臓に障害がある人は摂取前に医師に相談してほしい」と話している。 死亡した女性は肝硬変で同病院を受診。状態は安定していたが十三年、医師に告げず粉末ウコンを毎日のみ始めたところ二週間後に症状が悪化、入院したが腹水がたまり三カ月後に死亡した。 また、六十代の肝硬変の男性は、のみ始めた後に肝性脳症で入院。ウコンをやめ食生活を改善すると状態は回復した。 ほかにもB型やC型の慢性肝炎患者六人が肝機能悪化で入院するなど、計十一人がウコン摂取後に肝障害を発症した。
厚生労働省新開発食品保健対策室の話「ウコンと肝障害の因果関係に関する研究班の調査報告を待って対応を考えたい。ウコンが原因だったとしても成分が悪いのか、本人の体質や特定の製品の製造方法が要因なのか見極めなければならない」
◇ ウコン ショウガ科の植物で錠剤や粉末にした健康食品が人気。胆汁の分泌を活発化、肝臓の働きを良好にする。一方で過剰摂取、長期摂取は消化管に障害を起こすことがあり、動物実験では大量摂取が肝臓に毒性を示すと確認されている。
(産経新聞) - 10月19日2時59分更新
◆男性の3割が肥満、深刻事態に厚労省も危機感
10年間で肥満男性を「4人に1人」から「6人に1人」に減らすことなど、具体的な数値目標を掲げた厚生労働省の健康政策「健康日本21」で、肥満や飲酒など少なくとも20項目について、目標を設定した2000年当時より数値が悪化していることが18日、分かった。 男性の肥満は「3人に1人」に迫りつつある。10年計画の中間点となる現時点で、目標に近づくどころか逆に離れつつある深刻な事態に、厚労省は危機感を募らせている。 「健康日本21」は、がんや糖尿病などの生活習慣病の予防を目指し、厚労省が国民向けに食生活や運動、休養など9分野、計70項目の目標値を設定。2010年までの10年計画で、「塩は1日に10グラム未満」といった細かい目標を示し、話題となった。
肥満者の割合は、男性(20―69歳)が24%から15%まで、女性(40―69歳)が25%から20%まで下げる目標だが、今回、厚労省が中間値をまとめたところ、男性が29・4%、女性が26・4%と肥満が進行。日本酒で1日3合以上を飲む「多量飲酒」も、男性では4・1%から3・2%まで下げる目標に対し、7・1%にまで増えていた。
◆肥満=日本肥満学会が1999年に決めた診断基準が一般的に使われる。体重(キロ・グラム)を身長(メートル)の二乗で割った数値が「25」以上だと肥満で、例えば身長170センチの人は、63・5キロが適正体重、72・2キロ超が肥満。
(読売新聞) - 10月19日3時8分更新
◆魚含有脂肪酸の濃度と自殺未遂に相関
魚に含まれている脂肪酸「エイコサペンタエン酸」(EPA)の血中濃度が高い人は、低い人と比べて自殺未遂を引き起こす危険度が大幅に減ることが、日中共同で実施した疫学調査でわかった。もう一つの魚由来の脂肪酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)でも同じ傾向が見られた。
2002年2月から7月まで中国の大連医科大学の救急病棟に自殺未遂で入院した100人と、ほかの理由で入院した100人から採血し、赤血球中のEPA濃度などを調べた。
200人をEPA濃度の濃さによって4グループに分類。濃度が1番低いグループに未遂者が37人(それ以外13人)含まれたのに対し、濃度が最も高いグループは13人(同37人)だった。統計的に処理すると、濃いグループは低いグループより自殺未遂の相対的リスク(危険度)が8分の1になるという。DHAの場合は同リスクが5分の1だった。
[2004年10月18日/日経産業新聞]
◆ビタミンサプリメントが消化管癌のリスク高める
ビタミンおよび抗酸化サプリメントの服用者は100万人に上るが、英国医学誌「Lancet」10月2日号掲載の研究では、このような服用者の癌による死亡リスクが非服用者に比べて高いこと、セレニウムサプリメントでリスクが低減する可能性があることが判明した。研究は17万人を上回る参加者が関与する14の主要な試験結果をレビューしたもので、β(ベータ)カロテンおよびビタミンA、C、E含有サプリメント服用者が食道、胃、膵臓、肝臓、大腸の癌で死亡する可能性は、試験の半数においてプラセボ服用者に比べて6%高かった。また、サプリメントの危険性はβカロテンとビタミンAの組み合わせで30%、βカロテンとビタミンEの組み合わせで10%上昇した。
抗酸化サプリメントが有害作用をもたらす原因は不明である。しかし、研究者でニス大学(セルビア・モンテネグロ)内科教授のGoran
Bjelakovic博士は、異常化する細胞を体が破壊する過程のアポトーシス(細胞死)をサプリメントが抑制するためではないかと推測し、服用者における死亡率の上昇をあらゆる無作為化試験で徹底的に調べる必要性を強調している。現在、米国対癌協会(ACS)および米国立癌研究所(NCI)はいずれも癌予防にビタミンサプリメントを推奨しておらず、その予防作用や危険性を納得の行く形で示す証拠も得られていない。NCIは前立腺癌予防を対象にセレニウムおよびビタミンAの大規模な臨床試験を実施しているが、消化管癌リスク低減に確実に役立つのは、やはりスクリーニング検査、禁煙、適切な体重維持である。
◆ウイスキーが合併症抑制? 糖尿病で効果とサントリー
サントリーは19日、ウイスキーの中に糖尿病合併症の発症を抑える成分が含まれている可能性が高いと発表した。福山大(広島県福山市)や静岡県立大との共同研究で突き止め、3日の日本糖尿病合併症学会で報告した。 体の細胞内にあるアルドース還元酵素という物質は糖尿病性網膜症などの合併症を加速することで知られている。サントリーは、いくつかの飲料を加えてこの酵素の活性化をどれだけ抑えられるか実験した。その結果、ウイスキーが83%に達し、ウーロン茶の38%、緑茶の6%、赤ワイン5%を大きく上回った。
熟成期間の違うウイスキーでも比較したところ、30年ものが56%、20年が42%などと年数が長いほど高い結果が出たという。 サントリーは「アルドース還元酵素の働きを抑える成分は、オークたるで熟成する過程で出ているのではないか」と話している。
(共同通信) - 10月19日20時15分更新
◆許容摂取量の85倍測定 ジクロルボス含む殺虫剤
東京都は20日、ゴキブリなどの駆除に用いる有機リン系の劇薬「ジクロルボス」を含む蒸散型殺虫剤を使用実験した結果、世界保健機関(WHO)が定めた1日許容摂取量の推定最大85倍に上ったと発表した。都は、医薬品として承認した厚生労働省に対し、多数の人が出入りする食堂などでは使用を制限するよう要望した。都によると、昨年10月、市民団体が都消費生活条例に基づき調査を申請。都は室内につり下げて使う一般家庭用と、ファン付きの殺虫機で噴霧する業務用の2種類について実験した。実験場所は約6畳間で、期間はつり下げタイプが21日間、殺虫機装着タイプは13日間。1日許容摂取量は体重1キロ当たり3・3マイクログラムだが、殺虫機装着タイプは実験初日に、子供(体重15キロ)の場合は推定で許容量の85倍を摂取することになる濃度を測定した。
(共同通信) - 10月20日12時33分更新
◆コーヒーは炎症マーカーのレベルを上昇させる
男性1514人、女性1528人を対象にした調査(ATTICA study)結果から、コーヒーを1日に200mlより多く飲む人は循環器疾患のリスク要因である炎症マーカーのレベルを上昇させると分かりました。
2004年10月のAm J Clin Nutr誌に発表された研究成果です。コーヒーを飲まない男性に比べて、1日に200mlより多くコーヒーを飲む男性ではC-reactive
protein (CRP) のレベルが30%、白血球の数が3%高くなっていました。女性ではCRPレベルが38%、白血球数が4%高くなっていました。British
Heart FoundationのDirectorであるJeremy Pearson博士は「高血圧などのリスクファクターを有する人はコーヒーを控えるべきかもしれない。しかし今回の結果から分かったコーヒーによる炎症マーカー上昇が心臓疾患のリスクを有意に上昇させるとは考えられない。また、コーヒーを止めることで心臓疾患を予防できるとも考えられない。それよりは運動や健康な食事をした方が効果的」とコメントしています。コーヒーを飲むと糖尿病を防げるというような報告もあります。British
Coffee AssociationのZoe Wheeldon氏がBBCのインタビューに回答しているように、1日4-5杯なら安全といえるかもしれません。
◆<謎の急性脳症>キノコ食べ腎障害の5人死亡 新潟と山形で
新潟・山形両県で9月下旬以降、原因不明の急性脳症が相次ぎ、5人が死亡したことが21日分かった。死者はいずれも元々重い腎障害があり、うち4人は「スギヒラタケ」と呼ばれるキノコを食べた後に発症していた。しかし、スギヒラタケには毒性がないとされる。16日から新潟県に急きょ専門家を派遣した厚生労働省はウイルス感染症や農薬など別の原因も調べたが、不明のままだ。同省は「これだけ調査しても分からないとは、非常に珍しいケースだ」と困惑する一方、「腎障害のある人はこの地域のスギヒラタケを食べるのを控えた方がよい」と呼び掛けている。
新潟県健康対策課によると、同県内では山北町や朝日村など県北部を中心に50〜80代の男女11人が発症し3人が死亡した。いずれも腎障害を持ち、発症前の2週間以内にスギヒラタケを食べていた。11人は下肢の脱力などの初期症状が数日続いた後、手足が意思と関係なく動く不随意運動や重いけいれん、意識障害を起こしたという。全員が入院し、1人は退院した。一方、山形県は新潟県の情報に基づいて県内を調査したところ、新潟県に隣接している置賜地方の60代女性と庄内地方の70代男性が急性脳症を発症し、10月中旬に死亡していたことが分かった。山形県保健薬務課によると、2人とも人工透析を受けており、1人はスギヒラタケを食べた後、発症した。もう1人は食べていたかどうか不明だ。新潟県から14日に連絡を受けた厚労省は国立感染症研究所や日本中毒情報センターの専門家を派遣し、調査している。急性脳症はウイルスや細菌に感染したり、何らかの中毒物質が体内に取り込まれると起こる。同省は患者に下痢や吐き気などの中毒症状がなかったことから、「スギヒラタケそのものが原因とは考えにくい」とみている。また、家族や周辺に同様の症状の患者がいないため、感染症の可能性は低いと判断した。
キノコに毒性のあるかび、山林に散布された農薬などが付着していた可能性を検討しているが、原因となった物質は見つかっていない。専門家の間では、「スギヒラタケを食べて、急性脳症が出るとは聞いたことがない」(河岸洋和・静岡大農学部教授)とキノコ原因説を否定する見方が出ている。一方、浜松医科大第一内科の菱田明教授は「スギヒラタケに含まれる何らかの成分が腎障害のために尿に排出されず、血液中にたまって脳細胞を侵した可能性もある。普通の抗生物質でも大量投与すれば起こる話で、再発防止のためにも原因物質を突き止めるべきだ」と指摘している。厚労省厚生科学課は「キノコが突然変異して毒性を持つなど、すべての可能性を捨てずに調べ、原因を明らかにしたい」と話している。 【渡辺暢、大場あい、中村牧生】
■ことば=スギヒラタケ
全国に分布する白い扇形のキノコで、秋に杉の倒木や切り株に生える。毒性はないとされ、味が良く珍重されるが、栽培は難しいという。
(毎日新聞) - 10月22日2時1分更新
◆土壌、動物実験…多角的調査=急性脳症多発、原因解明に全力
新潟、山形両県で突如、13人もの急性脳症疑い例が確認され、5人が死亡した問題は、住民に不安を広げている。いずれも腎機能が低下する疾患を抱え、発症前にきのこの一種「スギヒラタケ」を食べていた点が共通だが、「スギヒラタケそのものが原因とは考えにくい」(厚生労働省)ためだ。両県や国立感染症研究所などは、あらゆる可能性を想定し、多角的に調査を進める方針だ。11人の疑い例が発覚、うち3人が死亡した新潟県。最初の届け出があったのは今月8日、県北部の病院から保健所にあった。めったにない急性脳炎の疑いがある同じ症例が3件ある、という内容だった。
翌週にも同様の届け出が相次ぎ、県は異変を察知。報告が集中した県北部の岩船郡を中心に調査を開始したところ、同様の症例報告がすぐに増え、同郡とは離れた県中部の北魚沼郡からも届いた。疫学調査の結果、疑い例は11人となった。 同県はこれまで基礎的調査を重ねてきた。今後は保健所を通じ、患者の健康状態について200項目以上を調べるほか、キノコが生えている周辺に原因となりそうな化学物質が含まれていないか土壌調査も実施。また、動物実験や採取したスギヒラタケのサンプル調査、過去の文献に同様の症例が載っていないかなど「あらゆる角度で、詳細な調査を進めていく」(保健福祉部)方針。また、患者本人や家族の不安を和らげ、住民の相談に乗るため、岩船郡などに職員を派遣して心のケアにも当たる。
(時事通信) - 10月22日6時4分更新
◆「誇大広告」見破る9カ条 健康食品、厚労省が例示
科学的な根拠があいまいなままダイエットや健康改善などの効果をうたった健康食品が多く出回っているため、厚生労働省は23日までに、国立健康・栄養研究所(東京)のホームページに、9項目からなる「虚偽・誇大広告にだまされない方法」を掲載した。
実際に使われるフレーズや表示を9つのパターンに分類し分かりやすく例示しており、厚労省は「消費者が広告の真偽を見分ける判断材料にしてもらいたい」としている。 例示されているフレーズは「即効性」「万能」「ガンが治った」「天然」「食品だから安全」「新しい科学的進歩」「ダイエットに効く(特許番号○○番)」など。 過度の期待を抱かせたり医薬品と同等の効果を信じさせる表示のほか、毒素を含む天然成分が使われたり、特許を受けても効果が認められていないケースに注意が必要としている。
(共同通信) - 10月23日16時33分更新
◆働き盛りはご用心! 週明けの脳卒中発作 2004年09月17日200410-1
年齢・性別を問わず月曜日は要注意。女性は冬、高齢男性は春が危険――。
鳥取県で17年間に発生した1万2529件にのぼる脳卒中発作の疫学研究から、脳卒中の発症パターンには、年間(季節)変動と曜日による変動という2つの周期性が見られることが明らかになった。 この調査結果を報告したのは、鳥取大学医学部保健学科教授の倉鋪桂子氏らの研究グループ。倉鋪氏らは、鳥取県が1985年に県の事業として開始した脳卒中登録事業で、1985年1月1日から2001年12月31日までに登録された1万7056人(初回発作の患者)のうち、40歳以上の1万2529人について分析を行った。
これらの患者は、一般的な退職年齢を考慮して、40〜59歳の若年群(2116人)と60歳以上の高齢者群(1万413人)に分け、性別、年齢群別に分析した。 まず曜日による変動では、年齢、性別を問わず月曜日の発症率が高く、日曜日には最低になる傾向が明らかに見られた。
日曜日と月曜日の差は若年者でより大きく、仕事によるストレスの影響がうかがわれた(ファクトシート参照)。 特に若年群の女性では、日曜日の発症が約11.3%なのに対し、月曜日は約17.2%で、週明けにはいきなり脳卒中の発作リスクが日曜日の1.5倍強にまで跳ね上がった。
若年群の男性でも、日曜日の約12.6%から月曜日には約17%と急上昇するが、火曜日には約14.3%まで再び減少、火〜土曜日はほぼ14%前後で一定だった。
一方、高齢者群では、週内の変動幅は男性で約2%、女性で約3%と、若年群の半分程度だった。脳卒中の発症リスクは日曜日に最も低く、月曜日に急上昇する点は若年群と同様だが、なぜか男女とも木曜日にいったん急上昇し、3〜4日というサイクルで変動していることも分かった。
特に高齢男性では、月曜日よりも木曜日の発症率が高かった。 また季節による変動は、若年群、高齢群とも女性の方が強く影響を受けていた。若年男性は年間の変動幅が2%強なのに対して、若年女性は6%弱と3倍近い差があった。どの群でも夏が最低になり、冬の方が発症が多かったが、高年齢男性は冬よりも春の発症が多かった。
倉鋪氏らは脳卒中の種類別でも変動パターンを分析している。それによると、虚血性脳卒中はほとんど季節変動がないのに対して、脳内出血は高齢群で夏に対して春に1.52倍、くも膜下出血では若年群で冬に1.38倍と大きな変動があった。虚血性脳卒中は、若年群で日曜日に対して月曜日が1.53倍と、週内の変動が強く見られた。
今後さらに分析が進めば、月曜日には特に休憩時間を設けたり、フィットネスを奨励するなど、企業にも組織的な脳卒中予防のための活動が必要になるときが来るかも知れない。
◆夜間の照明が癌のリスクに200410-2
(2004.09/09)
電灯が癌の脅威を生じさせるという考え方は極めて偏狭的であるように思えるが、先ごろロンドンで開催された会議では、夜間の照明と小児白血病の増加との関連性を示す証拠が検討され、その裏に生物学的根拠があること、それを真実と考える科学者が増えていることが明らかになった。
会議は小児白血病の制圧を目指す英国の主要な慈善団体、「白血病の小児たち」の資金援助によって行われた。 研究者らは、暗くなって電灯をつけると、細胞の生死および機能の調整において重要な役割を果たす少数の「時計遺伝子」に影響が及ぶことをその理由に挙げている。5年前に同定され、哺乳類に8〜9種類が確認されている時計遺伝子の一部は、生体内での異常細胞の破壊過程であるアポトーシス(プログラムされた細胞死)や細胞分裂に関わる多くの遺伝子を制御しており、このような遺伝子の機能不全が癌の発生を促すと考えられる。
成人白血病の発症はここ数年にわたって減少しているものの、小児白血病の発症率は英国および欧州で着実に増加し、米国では1973年から1998年にかけて2年毎に約1%の割合で上昇している。米テキサス大学の細胞および構造生物学教授Russell
Reiter氏は、電灯と癌に見込まれる関連性を、夜間の照明によって遺伝物質の突然変異を防ぐホルモンであるメラトニンの産生が抑制され、その結果、癌関連の変異リスクが増大すると説明している。
夜間の人工照明によって生じる癌は白血病だけではない。
乳癌で時計遺伝子の機能不全が果たす役割を研究している米コネチカット大学健康センターの医学准教授Richard G. Stevens氏および米ワシントン大学の疫学部門長Scott
Davis氏は、夜勤に起因するメラトニン活性撹乱が女性ホルモンの過剰産生を引き起こすために乳癌リスクが上昇することを突き止めている。しかし、たとえ関連性が判明しても、治療法がないのが現状である。
◆電気つけっぱなしで寝る子供は白血病になりやすいかも
電気をつけっぱなしで寝かせると、子供の白血病のリスクが高くなるかもしれません。
ロンドンで開催された白血病に関するミーティングでは、体内時計を調整する遺伝子と光と白血病の関連について議論されたようです。
体内時計を調節する遺伝子は細胞の生存や増殖をコントロールしています。たとえば光をつけっぱなしで子供を寝かせると体内時計のリズムの狂いに伴って細胞の増殖や生存も狂ってくる危険があります。
子供の白血病の他に、夜勤をする女性は乳癌になるリスクが高いというような報告もあります。
規則正しい生活がベストですが、親が夜遅くまでおきていれば子供もつられて遅くまでおきていることは多くなると思います。子供が小さいうちは、子供のリズムに合わせて生活することが必要なのかもしれません。
News Source + Light at Night Might Be a
Cancer Risk / Health Day
◆キウイは血液をさらさらにする
毎日2-3個のキウイを食べると血液がサラサラになって中性脂肪が低下するとわかりました。
2004年8月のPlatelets誌に発表された研究成果です。 ボランティアに、2-3個のキウイを28日間毎日食べてもらったところ、血小板の凝集が減り、コントロールに比べて中性脂肪が15%低下しました。
Reference
Effects of kiwi fruit consumption on platelet aggregation and
plasma lipids in healthy human volunteers. Platelets. Volume 15,
Number 5 / August 2004 287 - 292
◆犬、がんの早期発見に貢献?=尿のにおいで検知−英医学誌
【ロンドン24日時事】犬に訓練を積ませれば、ぼうこうがんにかかっているのを尿でかぎ分けられるようになることがこのほど、英研究者グループの調査で明らかになった。将来的に犬が、がんの早期発見に活躍する時代がやってくることも考えられる。
医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」最新号によると、調査を行ったのは英南部バッキンガムシャーの病院の研究チーム。
(時事通信) - 9月24日23時1分更新
◆魚よく食べると乳がんリスク4割減 文科省研究班調査
魚を多く食べる人はあまり食べない人に比べ、乳がんにかかるリスクが4割以上低いことが、文部科学省の研究班の調査でわかった。
魚に含まれる脂肪の成分で、脳の働きをよくすると言われるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)の働きによるものらしい。29日から福岡市で開かれる日本癌(がん)学会で発表される。
DHAやEPAは動物実験では、がんの抑制効果があることが確かめられている。だが、人間での効果はこれまではっきりしなかった。
研究班は88〜90年に、全国の40〜79歳の女性約2万5400人を対象に、魚をどのぐらいの頻度で食べるかなど食生活についてアンケートした。その後7年半にわたって健康状態を追跡したところ、127人が乳がんになった。
魚に含まれる魚介性脂質に注目した場合、魚を「週1〜2回以下」とあまり食べないグループに比べ、「ほとんど毎日」食べるグループは、乳がんの発生率が43%低かった。植物性脂質の摂取量は関連性がなかった。
調査を分析した愛知県がんセンター研究所の若井建志・がん予防研究室長は「脂肪の摂取量が多いと乳がんにかかりやすいと言われるが、魚に関しては逆のことが言える。日本人の乳がん罹患(りかん)率が欧米に比べ低いのは、魚を多く食べることも関係あるのでは」と話している。
◆<脳梗塞>長時間ほろ酔い気分が続く人は注意
体内でアルコールを分解する酵素「ADH2」の活性が弱い男性は、強い男性より脳梗塞(こうそく)になる危険性が2倍以上高いことが日本医科大と国立長寿医療センターの大規模な疫学研究で21日、分かった。
ADH2は酒の強弱とは直接関係ないが、活性が低い人はアルコールが分解されにくい。研究グループの太田成男・日本医大教授(細胞生物学)は「長時間ほろ酔い気分が続く人は脳梗塞に注意した方がいい」と指摘している。
ADH2の活性は両親から受け継いだ遺伝子で決まり、日本人の約4割は活性の低い型を持っている。脳梗塞の遺伝的な危険因子が明らかになったのは初めて。女性では顕著な差はみられなかった。研究結果は来月発行の米神経学会誌に掲載される。
グループは97年から愛知県で、無作為抽出した住民2267人を対象に、老化に関するさまざまな疫学調査を続けている。今回、MRI(磁気共鳴画像化装置)検査で脳梗塞が認められた男性136人、女性79人に対し、肥満度や血中コレステロール濃度、喫煙や飲酒の有無などとの相関を調べた。 年齢の影響を補正した結果、男性ではADH2の活性が弱い人は強い人に比べ、2.16倍も脳梗塞になった割合が多かった。従来から危険因子とされてきた中では、高血圧の2・4倍に次いで高いリスクだという。女性で差がみられなかったのは、女性ホルモンがADH2を活性化する働きがあるためだとみている。
太田教授は「日本人に脳梗塞が多いのは塩分の取りすぎが原因だなどと言われてきたが、遺伝的要因がかなり大きいことが分かった。自分の体質を理解し生活習慣を改めれば、かなり予防できるのではないか」と話す。【西川拓】
(毎日新聞)
◆よく歩く高齢者は痴呆にならない
71−93歳のハワイの日系アメリカ男性2257人を対象にした1991-1993年の調査から、1日に歩く距離が1/4マイル(約400m)未満の高齢者は1日に1/2マイル(約800m)以上歩く高齢者に比べて1.8倍痴呆になりやすいという結果となりました。
2004年9月22/29のJAMA誌に発表された研究成果です。
同じく2004年9月22/29のJAMA誌には、Nurses' Health Studyデータの解析結果が発表されています(JAMA.
2004;292:1454-1461.)。この解析では、1週間に1-1.5時間以上歩く女性は認知機能が衰え難いという結果となっています。
‥> Reference
Walking and Dementia in Physically Capable Elderly Men. JAMA.
2004;292:1447-1453.
◆飲酒で乳がんリスク上昇=缶ビール1本までOK?
1日に缶ビール(350ミリリットル)1本程度より多くお酒を飲む女性は、飲まない女性の約3倍乳がんになりやすいことが、文部科学省研究班の初の大規模疫学調査で分かった。欧米での研究よりも飲酒の影響が強く表れた。29日から福岡市で開かれる日本がん学会で発表される。
研究班は、全国24地域の女性約3万6000人(40〜79歳)を平均7年半追跡調査。その間に乳がんになった人は151人だった。 飲酒状況で発症リスクを分析すると、お酒を少量(アルコール摂取量1日15グラム未満)飲む人は、全く飲まない人との差は見られなかった。しかし、アルコール摂取量が1日15グラム以上の人では、飲まない人の2.93倍リスクが高かった。
アルコール15グラムは、缶ビールなら1本、日本酒なら0.6合、ワインならグラス1杯半程度。 アルコールと乳がんの関係では、欧米女性を対象に幾つかの研究があるが、飲酒量の影響は今回より弱く出ていた。
(時事通信) - 9月24日6時1分更新
◆ベータグルカンにがん転移抑制効果――ダイソーと愛媛大が確認
ダイソーは愛媛大学と共同で、多糖類「ベータグルカン」にがん細胞の転移を防ぐ効果があることを動物実験で確認した。29日から福岡市で開かれる日本癌学会で発表する。同社は今後、臨床試験を進め、効能を表示できる特定保健用食品として厚生労働省の許可取得を目指す考え。
ベータグルカンはアガリクスなどキノコ類に多く含まれる物質で、免疫活性作用などがあるとされる。ダイソーは黒酵母菌からベータグルカンの一種である「β―1、3―1、6―グルカン」を高純度で大量抽出する技術を確立した。
[2004年9月24日/日本経済新聞 朝刊]
◆糖尿病になるとアルツハイマー病になりやすい──米国で調査[2004/08/23]
糖尿病の合併症には、いわゆる3大合併症といわれる、じん臓障害、網膜症、脚の末梢神経障害があるが、これに、アルツハイマー病が加わるかもしれない。 1000人近いお年寄りを長期に追跡調査したところ、糖尿病を患っている人は、アルツハイマ−病になる割合が高いことがわかった。シカゴにあるラッシュ大学医学センターの研究者たちが行ったもので、雑誌「神経科学」(Archives
of Neurology )に発表された。
研究は、1994年から2003年にかけて、行われた。55歳以上のカトリック教会の尼僧、牧師、信徒など約1000人に参加を求めて、平均6年間、その人たちの心身の健康状態を、毎年詳しく調べた。このうち151人が、調査期間中にアルツハイマー病にかかったことがわかった。そのうち31人は糖尿病を患っていた。
これを統計的に分析したところ、糖尿病の人は、糖尿病にかかっていない人よりも、アルツハイマー病にかかるリスクが、65%高いことがわかったという。
◆喫煙で脳卒中の危険増 くも膜下出血3・6倍
たばこを吸う人は吸わない人に比べ、男性で3・6倍、女性で2・7倍、脳卒中の一種のくも膜下出血になりやすいことが、厚生労働省研究班の大規模疫学調査で24日までに、分かった。
脳卒中全体でも喫煙者の発症率が高かった。たばこを吸わなければ、日本で年間約16万人の脳卒中を予防でき、約1万5000人の死亡を防ぐことができる計算という。
研究班は4、50代の日本人男女約4万2000人を1990年から11年間追跡。喫煙と脳卒中の関係を調べた。
喫煙との関係が最も大きかったくも膜下出血の場合、非喫煙者に比べ、喫煙本数が1日20本未満の男性は3・2倍、20本以上40本未満の男性は3・8倍、それぞれ発症率が高かった。
(共同通信) - 8月24日19時35分更新
◆漢方薬原料の生薬から残留農薬 厚労省、半数サンプルで
漢方薬の原材料となる生薬のうち11品種121サンプルについて厚生労働省の研究班が調べたところ、半数近くの56サンプルから残留農薬が検出されたことがわかった。
生薬には一部を除いて薬事法に基づく農薬の残留基準がない。ただちに健康影響が問題になる濃度ではなかったが、広範囲で検出されたことで、厚労省は農薬の基準値設定などの規制を検討している。
昨年6月に農民運動全国連合会が、4品種の生薬から農薬が検出されたと発表したのを受け、国立医薬品食品衛生研究所の合田幸広・生薬部長を主任研究者とする研究班が発足。全体で200〜300品種あるといわれる生薬のうち、果実や葉など農薬が使われやすい11品種を対象にした。
全国8カ所で市販されている生薬を選び、有機塩素系農薬など3系統の残留量を調べた。
薬事法で決められている農薬の残留基準値がある生薬は、強壮効果があるとされる薬用ニンジンや便秘に効くといわれるセンナ(マメ科の植物の葉や茎)など5品種だけで、DDTとBHCについては0.2ppm以下となっている。51サンプルはDDTが0.2ppmを下回っていたが、チンピ(ミカンの皮)、ビワヨウ(ビワの葉)など5サンプルでは0.2ppmを超えていた。
また有機リン系農薬が、鎮痛作用があるとされるカンゾウ(カンゾウの根)、滋養強壮効果があるといわれるサンシュユ(ミズキ科の果実)などの5品種31サンプルからみつかった。さらに、ピレスロイド系農薬も、ビワヨウ、解熱効果があるとされるケイヒ(クスノキ科の木の樹皮)、チンピなどの8品種26サンプルから検出された。
生薬は乾燥品でせんじて飲用する場合が多いため、摂取量は少なく健康への影響が問題になる量ではなかったという。
しかし、厚労省は「薬は体が悪いときに飲むので、基準値の考え方も食品と違ってくる」とし、農薬の規制対象にする生薬を何にするか、基準値をどう設定するかなどを検討することにした。
漢方薬の製造・販売会社でつくる日本漢方生薬製剤協会は「製品になった段階で、残留農薬の成分を自主的に検査する方法と基準を検討している」と説明している。
(2004/08/20)
◆「焼たらこ」などに無認可発色剤、釧路の業者が自主回収
北海道釧路保健福祉事務所は14日、釧路市内の水産加工業「マルショウ クラタ」がイトヒキダラの卵巣を原料に製造し、同市内の「ヤマウロコ山本水産」が商品に加工した「焼たらこ」と「焼めんたいこ」に食品衛生法で認められていない発色剤が使われていたとして、両社を文書で厳重注意したと発表した。
同事務所によると、発色剤は食べても健康に影響が出る量ではないという。ヤマウロコは今年1月から6月に8万4000パック(約7600キロ)を製造。帯広市をはじめ東京都中央区、大阪市、大阪府茨木市、京都市、静岡県浜松市の6市場に出荷したといい、自主回収を進めている。
(2004/08/14)
◆新基準なら許容量3分の1 魚のメチル水銀で試算公表
妊婦が食べても大丈夫なメバチマグロの量は新しい国際基準では1週間に約86グラムと国内基準の約3分の1−。食品に含まれる微量のメチル水銀が胎児に悪影響を与えると指摘されている問題で厚生労働省は17日、魚介類に関する1週間の耐容摂取量の試算結果を薬事・食品衛生審議会専門部会で明らかにした。
この問題で国際専門家会議が昨年、メチル水銀の耐容摂取量の基準を引き下げたため厚労省は国内基準を再検討中。試算結果について同省は「具体的検討に入る際の基礎データ。多くの仮定に基づいており、精査する必要がある」としている。
耐容摂取量は胎児への影響と水産庁がまとめた魚種別のメチル水銀濃度を基に計算。魚以外の食品からもメチル水銀を摂取すると仮定した。(共同通信)
[8月17日19時35分更新]
◆健康食品からバイアグラ=販売中止、回収指示へ−福岡県
福岡県は17日、インターネットで通信販売されている健康食品の調査で、3種類の製品から医薬品のバイアグラの成分や類似成分が検出されたと発表した。健康被害は報告されていないが、心臓疾患のある人がのむと最悪の場合死亡することもあるため、販売業者に対して販売中止や回収を指示するとともに、購入者へ注意を呼び掛ける方針。 (時事通信)
[8月17日21時1分更新]
◆新たに2製品からバイアグラ=ネット販売の健康食品−福岡県
インターネットで通信販売されている健康食品3製品から医薬品のバイアグラの成分などが検出された問題で、福岡県は18日、同様の成分を含む製品が新たに2種類あることが判明したと発表した。健康被害は報告されていないという。
県によると、新たに分かったのは「春花三昧」「神農不老寿」との名前の錠剤。10回分1万7000円程度で販売されていた。 (時事通信)
- 8月18日19時1分更新
◆韓国産平貝とニラから腸炎ビブリオ 厚労省が検査命令
厚生労働省は19日、輸入された韓国産の生食用冷蔵平貝439キロから基準値(1グラム当たり100)を超える腸炎ビブリオが検出されたとして、今後、この製品を処理した韓国業者からの生食用平貝すべてを検査するよう輸入業者に命令を出した。
福岡検疫所で1グラム当たり1400の腸炎ビブリオを検出した。生食用平貝は今年、263件、197トンが輸入されているが、健康被害は報告されていないという。
また、関西空港検疫所で韓国産のニラ16キロから基準値(0.01ppm)を超える農薬0.02ppmが検出されたため、韓国産ニラとその加工品の輸入についても検査命令を出した。韓国産は03年に約6400キロ輸入され、輸入全体に占める割合は約4%。
(2004/08/19)
◆献血不合格者が増加 鉄分不足が原因か 県内の女子大で7割のケースも
献血を申し込んでも、血液が薄いことを理由に「不合格」になる人が全国的に増えている。福岡県内のある女子大では昨年末、希望した学生の約七割が献血できないケースもあった。鉄分の摂取不足が原因とみられるが、鉄は赤血球中で酸素を運ぶヘモグロビンの材料になるため、深刻な場合は、記憶力や持久力が低下する鉄欠乏性貧血を招く。欠食の増加など食生活の乱れが指摘されており、専門家は「国は新たな『国民病』と考え、栄養指導を徹底すべきだ」としている。
日本赤十字社(東京)によると、全国で二〇〇三年に献血を申し込んだ人のうち、血液が基準より薄い「比重不足」だった割合は、女性が16・5%で、一九九八年より3ポイント増。〇三年の申込者(約三百万人)を基に試算すると、この五年間で約九万人増えた計算になる。
男性は、〇三年が九八年の倍の0・8%で、同じく申込者(約三百七十万人)に基づくと約一万五千人増えたことになる。
献血できる血液の濃さ(血液比重)の基準は男女共通で、一般的に男性より血液が薄い女性は、健康に問題がなくても不合格になりやすい。ただ、女性は生理・授乳などで鉄分を失いやすいため、血液疾患に詳しい長崎県諫早市の木下研一郎・恵寿病院長は「女性の半分は自覚がないまま鉄欠乏性貧血か、その直前という危機的な状況に陥っている」と懸念。また、女性より血液が濃い男性がアウトになる事例が増えていることは、「診察が必要な貧血が懸念される男性は多いはず」(日赤)とみられ、男女ともに“危険水域”に達しているのが現状だ。
全国的に献血申込者は年々少なくなっており、全国の日赤血液センター関係者からは「食生活の改善指導をしないと、献血事業自体にも大きな影響が出る」と危ぐする声が相次いでいる。
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▼ワードBOX=血液比重
水の重さを1とした場合の、血液の重さ。血液には、酸素を運ぶヘモグロビンからなる赤血球や、白血球、血小板などが含まれており、水よりも重い。赤血球数が減ると、比重も軽くなることから、貧血を判断するための目安にされる。献血できる血液の比重は、男女とも、200ミリリットル献血、成分献血が1・052以上。400ミリリットル献血が1・053以上。
(西日本新聞) - 8月24日14時37分更新
◆ビタミンK2で肝がん抑制、副作用少なく 大阪市立大
ウイルス性肝硬変の患者がビタミンK2剤を何年も飲み続けると、肝がんに進行する確率が標準的な治療のみの患者に比べ約5分の1にまで下がる。塩見進・大阪市立大教授らのグループがそんな研究結果を米医師会誌(21日発行)に発表する。
ビタミンK2剤は骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の薬として普及しており、同グループは「副作用が少ない安価な薬で肝がん抑制の可能性を示せた」という。
ビタミンK2は納豆などに多く含まれる成分。研究の対象となった患者40人は皆、男性より骨がもろくなりやすい女性で、骨粗鬆症と早期のウイルス性肝硬変を併発していた。96年から約8年間、経過を追った。
21人は肝臓を保護する薬剤を使う標準治療に加え、ビタミンK2剤「メナテトレノン」を毎日45ミリグラム飲み、19人は標準治療だけを続けた。
その結果、肝がんに進行したのは、K2を飲んだ患者では2人、飲まなかった患者では9人だった。 この結果をもとに1年間に発がんする確率を計算すると、飲んだ患者は1.6%になる。飲まなかった患者は8.8%で、ウイルス性肝硬変になった患者の全国平均(8%前後)に近かった。
小俣政男・東京大教授(消化器内科)は「ビタミンK2が肝がんの再発を抑えることを示す研究が別のグループから発表されているが、今回は肝がんへの進行を抑える効果もうかがわせる。ただ、抗がん剤のように劇的には効かないだろう」と話す。
(2004/07/21)
◆焼き魚は脳卒中の原因「心房細動」を予防する?!−−米国CHS研究から判明
お年寄りに多く、脳卒中の原因にもなる「心房細動」という不整脈を、焼き魚をよく食べる人は発症しにくいことが分かった。米国の高齢者約4800人を12年間追跡したCHS(Cardiovascular
Health Study)研究の結果。魚好きの人に脳卒中が少ないことは既に報告されていたが(JAMA;285,304-12,2001など)、原因の一つである心房細動が少ないことが分かったのは初めて。
研究論文は、米国心臓協会(AHA)が発行する「Circulation」誌電子版で、雑誌掲載に先立ち7月19日に公開された。 心房細動は、心臓の心房という部分が時々ぶるぶると震えるタイプの不整脈。心臓の老化現象と考えられていて、高齢になるほど発症率が上がり、日本人では70歳代の4〜8%、80歳代では10%以上の人に心房細動がある。心房細動があっても、心臓のポンプ部分(心室)は大部分の人で正常に働いているため、息切れや胸苦しさなどの症状は特に出ないことが多い。 しかし、心房細動があると、心房で血液の流れがよどんで血栓(けっせん)ができやすくなる。この血栓が飛んで脳の血管につまると、脳卒中の一つである「心原性脳塞栓(そくせん)症」を引き起こす。 最近では、元プロ野球監督でアテネ五輪野球日本代表監督を務める長嶋茂雄氏が、この心原性脳塞栓症にかかったことをご記憶の人も多いだろう。
CHS研究には、米国在住の65〜100歳(平均年齢72.8歳)の男女5201人が参加。研究開始時点で心房細動を起こしておらず、魚を含む食生活データがそろっていた4815人を解析対象にした。 参加者は毎年、心電図検査を含む健康診断を受診。研究期間中に入院した場合は、カルテで病名を調べた。12年間で、4815人中980人が新たに心房細動を起こした。 研究グループは、食生活データの中の魚料理を、「焼き魚」と「魚のフライ/フィッシュサンドイッチ」に分けて解析。すると、年齢などで補正した後も、焼き魚をよく食べる人(週1〜4回)は、ほとんど食べない人(月1回未満)より、心房細動の発症率が29%低くなった。
心房細動の予防効果があるのは“赤身の魚”か
面白いのは、「魚のフライ/フィッシュサンドイッチ」を食べる頻度で解析すると、結果がまったく逆になること。魚のフライなどを週1〜4回食べる人では、月1回未満の人より、年齢などで補正した後も心房細動になる割合が24%多かった。 どうして調理法の違いで結果が正反対になったのか−−。研究グループは、「結果を左右したのは調理法の違いではなく、調理に使う魚の種類の違い」と考えている。 米国で「焼き魚」といえば、マグロなど赤身の魚のソテーがほとんど。一方、魚のフライに使われるのは、タラなど白身の魚だ。一般に、赤身の魚には白身の魚より、脂質がたくさん含まれている。 よく知られているように、魚肉の脂質にはエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)といった、オメガ3系の多価不飽和脂肪酸が多い。研究参加者の血液を解析すると、焼き魚をたくさん食べる人ほど血中のEPA・DHA濃度が高かったが、魚のフライやフィッシュサンドでは相関がなかった。 オメガ3系の脂質には血液をサラサラにするなどの健康効果が知られているが、今回わかった“心房細動の予防効果”は「オメガ3系油の新たな健康効果なのでは」と研究グループはみている。
この論文のタイトルは、「Fish Intake and Risk of Incident Atrial Fibrillation」
◆食べ合わせても無意味? 健康食品併用の効果調査
「脂肪がつきにくいとうたう健康食品を組み合わせて食べると、効果が上がるか」。同じような効果を持つ特定保健用食品2種類を食べても、組み合わせによっては相乗効果が出ないケースがあることが21日までに、厚生労働省研究班(主任研究員・斎藤衛郎国立健康・栄養研究所部長)の研究で分かった。 健康食品ブームで複数の種類を安易に食べ合わせる人が多いが、これまで効果や安全性は十分検証されておらず、併用についての研究は珍しい。
研究は、いずれも特定保健用食品で(1)体脂肪が付きにくい成分を持つ食用油(植物ステロールを含む)(2)コレステロールの排せつを促進する豆乳(大豆タンパク)(3)脂肪が付きにくいとうたう「カテキンを含む緑茶」−−を使用。 血清コレステロール値が高めの中高年に、食用油と豆乳、食用油とカテキンの組み合わせを数週間ずつ試してもらった。
食用油と豆乳の組み合わせは、食用油だけを摂取したときより悪玉のLDLコレステロールの吸収が抑制されたが、食用油とカテキンの組み合わせでは、摂取の前後でほとんど変化がなく、1種類を摂取する以上の効果はみられなかった。(共同通信)
[7月21日10時28分更新]
◆むし歯は女性の気になる病気の4位−−ライオン
むし歯は20〜30代の働く女性の気になる病気の4位−−という調査報告を、ライオン(本社:東京墨田区)が公表した。首都圏で働く男性97人、女性104人を対象に今年6月に行った調査をまとめたもの。調査報告によると、女性がリスクが気になると回答した病気は、1位が「ガン」、2位が「ストレス性疾患」、3位が「肥満」、4位が「むし歯」、5位が「糖尿病」、6位が「心の病気」だった。
女性は、美容的な面からも、むし歯を心配する人が多いことがわかる。なお、男性のリスクが気になる病気は1位が「ガン」、2位が「肥満」、3位が「心の病気」、4位が「脳梗塞」、5位が「ストレス性疾患」、6位が「むし歯」だった。
◆米厚生省、肥満は「病気」と定義変更・公的医療保険対象に
米厚生省は米国民の間で肥満が深刻な健康問題となってきたことを重視し、公的医療保険(メディケア)で深刻な肥満を病気として扱い、保険の給付対象とすることを決めた。
米国では20歳以上の65%に当たる1億2700万人が「太りすぎ」とされ、うち6000万人が太りすぎが進んだ「肥満」、さらに900万人が「深刻な肥満」だと推計されている。
[2004年7月21日/日本経済新聞 朝刊]
◆鳥インフルエンザ、タイ各地で再発
【バンコク=長尾久嗣】タイの各地で鳥インフルエンザが再発している。農業・協同組合省は16日、全76県のうち、中部パトゥムタニ県など12県で再発を確認したと発表。このほか家禽(かきん)の大量死が発生した15県で感染の疑いがあるという。
野生のアヒルの感染も明らかになっており、政府は警戒を強めている。農協省では養鶏場などで家禽の1割が死んだ場合、直ちに全家禽を処分するよう指導した。
タイでは今年前半に鳥インフルエンザが流行したが、5月に終息を宣言していた。今月上旬に中部アユタヤ県で発生を確認して以来、再び感染地域が急速に拡大している。
◆アマメシバで疾患 気管支炎の40代女性 沖縄の業者ら提訴へ 鹿児島
重度の閉塞(へいそく)性細気管支炎を患ったのは、植物「アマメシバ」を粉末状にした健康食品を服用したことが原因として、鹿児島県内の四十代の女性が近く、沖縄県の販売業者などを相手取り、治療費や慰謝料など約七千五百万円の損害賠償を求め、鹿児島地裁川内支部に提訴する。厚生労働省によると、アマメシバを販売した業者の責任を問う訴訟は全国で初めて。 製品は「よこださん家のあまめしば」で、被告は沖縄県の生産者と販売業者、兵庫県の製造業者。製品は二〇〇二年九月から昨年八月まで販売。新芽などを粉末にしたもので、栄養価の高さなどを売りにしていた。 訴状などによると、女性は〇二年十二月から約百三十日間、一日四回(合計千四十グラム)製品を服用。〇三年三月、閉塞性細気管支炎を発症し翌月鹿児島大病院に入院した。今年四月、岡山大付属病院で生体肺移植手術を受け、現在も鹿児島大病院に通院している。 訴状では「台湾で十人前後が死亡した例があり被害が予見できたのに、業者は安全性の検査を怠った」などと主張している。
厚労省によると、アマメシバによる健康被害は国内で十数例の報告がある。うち閉塞性細気管支炎は四例。同省は昨年九月、アマメシバを粉末、錠剤にした食品を販売禁止にした。 製造業者と販売業者は「訴状を見ていないのでコメントできない」と話している。(西日本新聞)
[7月21日14時18分更新]
◆健康食品の有効性、HPでデータ公開…健康・栄養研究所
健康食品の含有成分について、有効性や安全性の情報を集めた一般向けのデータベースを独立行政法人、国立健康・栄養研究所がホームページで公開した。 健康食品によく使われるイチョウやウコン、カテキン、クエン酸など100の成分の「効能」や注意点などについて、科学的根拠のある情報を論文などから集めた。にがり(主成分・塩化マグネシウム)とダイエット効果など、実際には関連性がないのに消費者があると誤解している例や、植物「アマメシバ」の粉末など健康被害があった事例も紹介。
掲載する成分は今後、順次増やしていく。健康食品の市場規模は1兆円を超すと言われるが、医薬品と違って、有効性や副作用などを臨床試験で明らかにする義務はない。このため、「ダイエットに効く」「糖尿病予防に効果的」といった誇大表示や、無許可の医薬品成分を含む健康食品の販売も後を絶たない。 厚生労働省は「商品そのものの安全性を証明するものではないが、健康食品を使う時の目安に役立ててほしい」としている。ホームページのアドレスは、http://www.nih.go.jp/eiken/(読売新聞)
◆海外渡航でのコレラ感染多発、8割弱がフィリピンで感染−−感染研が注意を呼び掛け
海外でコレラに感染し、国内で確認される例が今年6月に多発した。例年のピークは7〜9月で今後患者数が増える可能性もあり、国立感染症研究所感染症情報センターでは注意を呼び掛けている。
2004年第27週までのコレラの累積報告数は26例だった。近年の年間報告数は、2000年が58例、2001年50例、2002年51例、2003年25例であり、例年に比べて目立って増えているわけではない。しかし、今年は26例中18例が6月に発症している。6月としては例年に比べて非常に多く、過去5年間の月別年間最高値も上回っている。
18例のうち14例の推定感染国がフィリピンであり、同国での感染多発が今年6月の報告数激増の原因になっていると言える(図、感染症週報2004年1〜27週のデータを基に作成)。感染者は全員男性で、菌の血清型は検査中の1例を除き、O1エルトール小川型だった。訪問地域や食べた食品などの疫学的な関連性は見られなかったという。 感染症情報センターでは、例年ピークを迎える7〜8月の増加が危惧されるとして、コレラ流行地域に渡航する場合には生水や氷、生の魚介類、生野菜、カットフルーツなどを避け、体調管理に注意するように呼び掛けている。
◆プール熱、大流行の兆し 患者既に昨年の3.8倍 宮城
子どもがかかりやすい夏風邪の一種で、「プール熱」とも呼ばれる咽頭(いんとう)結膜熱がこの夏、宮城県内で大流行の兆しを見せている。県などが実施している医療機関の定点調査でも、患者の発生報告はここ10年で最多のレベルに達した。
梅雨明け宣言でプールのシーズン本番を迎え、県は予防と早めの受診を呼び掛けている。 咽頭結膜熱はアデノウイルスの感染が原因で、症状は38度以上の高熱が数日続くほか、のどに痛みを感じたり目が赤くなったりする。
全国的に毎年6月ごろから発生が増加し、7月から8月にかけてピークを迎える。 県内51カ所の医療機関を対象とした1週間ごとの定点調査では、今月12―18日の週(今年の場合は第29週)に一医療機関当たりの報告数が0.92人を記録。昨年同時期の0.24人を大きく上回り、6週連続で最近10年間の最高値を示している。
第29週に地域別で最も報告数が多かったのは、大崎保健所管内の3.00人。登米保健所の2.33人、仙台市内の1.08人などと続いており、県と仙台市はこの3地域に大流行の恐れがあるとして「警報」を発令した。
県などによると、プール熱は名前の通りプールを介して感染するケースが最も多いが、飛沫(まつ)感染もあって、プールに入らなくても罹患(りかん)する。
予防にはまず手洗い、うがいの励行が求められる。 プールに入った後はシャワーを浴び、他人が使ったタオルは使わないように注意を払う必要もある。県は「体調がすぐれないと感じたら、早めに医師の診断を受けることも大事」(健康対策課)と話している。 今シーズンは全国でプール熱が大流行中。6月28―今月4日の週の一医療機関当たり報告数は0.95人(県内の同時期は0.87人)となっている。(河北新報)
◆体内時計乱れると肥満に?――帝京大と産総研が解明
食欲を抑えて肥満になるのを防ぐ血中の「満腹物質」は食事のほかに体内時計からも影響を受けることを、帝京大学と産業技術総合研究所が動物実験で突き止めた。日常生活のリズムが乱れると肥満になりやすいことを示唆する成果で、両者の関係が詳しく分かれば肥満防止法が見つかる可能性があるという。
体内時計は睡眠や覚醒(かくせい)のリズムを決めており、「時計遺伝子」と総称される複数の遺伝子が約24時間周期で働いてリズムが生まれるとされる。
[2004年7月23日/日経産業新聞]
◆コンフリーで肝障害の恐れ、厚労省が注意呼び掛け
スタミナ増強に効果がある健康食品として普及している「コンフリー」(別名ヒレハリソウ)を食べた人が、肝障害を起こすケースが海外で相次いでいるとして、厚生労働省は14日、業者に自主回収と製造、販売、輸入の自粛を求めた。消費者には飲食を控えるよう、厚労省のホームページで注意を呼び掛けている。
これまで日本での健康被害は報告されていないが、厚労省は今後、内閣府の食品安全委員会の意見を聞いた上で、販売禁止を検討する方針。禁止されれば、重い気管支炎の発症例が昨年相次いだ健康食品「アマメシバ」の粉末に次ぎ、2例目となる。厚労省によると、コンフリーは欧州、西アジア原産。ビタミンやミネラルを豊富に含み、スタミナ増強や貧血に効果がある健康食品として、お茶や錠剤などの形で広く普及。昨年1月から今年5月までに約2トンが輸入されている。明治以降は日本にも自生し、葉や根は食用とされてきた。〔共同〕
◆プール熱、今夏要注意 ウイルス変異で患者増加
「プール熱」という感染症に異変が起きている。ウイルスで引き起こされる結膜炎と高熱を伴う病気で、夏場のプールを介して感染が広がるケースが多かった。ところがプールに入る機会が少ないはずの昨秋以来、例年の2〜3倍もの患者が確認されている。原因はウイルスの変異で、寒くても強くなったことなどが考えられるが、正確な理由は不明のまま。専門家は幼児が多くかかるだけに、夏本番を前に注意を呼びかけている。
「プール熱」の正式名は咽頭(いんとう)結膜熱。アデノウイルスの一種が目や口から体に入ることで起こる。1週間ほどの潜伏期間を経て、39度前後の高熱や目の充血、のどの炎症などが3〜5日ほど続く。ウイルスの種類によっては、脳炎、肝炎など深刻な症状になることもある。5歳以下の子どもが多く、幼稚園などでの集団生活による感染も多い。
ウイルスを含んだ便や唾液(だえき)がプールの水を介して感染することから「プール熱」と呼ばれる。他人のタオルを使って感染するだけでなく、子どもがじゃれあって接触することや唾液でも感染する。
国立感染症研究所(東京都新宿区)がまとめている全国3000カ所の医療機関からの報告によると、昨年7月から8月にかけて、1医療機関当たりの報告数が0.6〜0.77人で、過去10年では最高を記録した。
例年だと7〜8月ごろにピークを迎え、冬にかけて減っていく。ところが昨年の場合、7月に過去最高を記録したあと、10月から11月に定点当たり0.1人台に減ったものの、11月〜今年1月にかけては逆に0.2人以上に増えた。03年12月末の1週間では約0.4人にまで増え、前年の約3倍に達した。さらに、今年に入っても昨年を上回る勢いで、今年5月末の週では、昨年の2倍近く発症者が出ている。
なぜ冬に増えたのか。同研究所感染症情報センター第三室の多屋馨子(たや・けいこ)室長は推測として(1)ウイルスが変異し、寒さに強くなった(2)医療機関での検査精度が上がり、発症の確認が増えた(3)温水プールで冬場に泳ぐ機会が増えた――などを挙げるが、「正確な原因は分かっていない」という。
プール熱には解熱剤や目薬をさすぐらいで「受診後3〜4日、安静にするしかない」という。 後遺症はないが、予防法として、プール前後のシャワーや洗眼の徹底▽タオル共有の禁止▽食前や排便後の手洗い、などを挙げる。要注意なのは症状が治まっても、1カ月ほどは便にウイルスが残る点だ。専門家は、症状が治まった後にプールに入る時はシャワーをよく浴びるなど注意が必要だと指摘している。
◆環境省所管の建物でシックハウス、元職員が休業補償請求
職場の新築が原因でシックハウス症候群になり働けなくなったとして、環境省所管の財団法人「地球環境戦略研究機関」(神奈川県葉山町)の元女性契約職員(31)が15日までに、横須賀労働基準監督署に労災の休業補償請求をした。女性からの相談に乗ってきた神奈川労災職業病センターが同日発表した。
センターによると、同財団が研究所を新築したのは02年6月。「環境と人にやさしい建物」との目的で、床や壁には廃材などを多用した。
当時勤務していた元職員は新築直後からめまいや頭痛などに悩まされるようになり、同10月に北里研究所病院(東京都港区)からシックハウス症候群と診断された。
元職員だけでなく、当時この研究所に勤務していた約60人のうち27人が、同症候群や化学物質過敏症などと同病院などから診断されたという。
同財団によると、27人中6人は現在も勤務しているが、残りの21人は退職した。新築から間もない02年7月、同財団が建物内の化学物質濃度を測定した結果、ホルムアルデヒドの濃度は建築物衛生法の限度基準値に近かったが、基準値内だったという。
同財団の徳田博保・事務局長は「診断書はいずれも確認しているが、建物が原因の労災なのかどうかは何とも言えない。労基署に判断をゆだねたい」と話している。
◆サプリメントの過剰摂取●米国Cornell大学、栄養補助食品セレニウムの過剰摂取がII型糖尿病を引き起こす恐れを指摘
米国Cornell大学の研究グループは、ミネラルの一種で栄養補助食品としても一般的なセレニウム(Selenium)を主要成分とする抗酸化酵素は、高濃度でII型糖尿病を誘発する可能性があることを、同酵素の発現量を増やしたマウスで突き止めた
◆歯周病が糖尿病引き起こす可能性 九州大が調査
歯周病が糖尿病を引き起こす可能性のあることが、福岡県久山町の住民を対象にした九州大学の調査で分かり、国際歯科研究学会の雑誌6月号に掲載された。糖尿病患者が歯周病になりやすいことは知られていたが、歯周病が全身の病気に及ぼす影響が疫学調査によって明らかになってきた。
調べたのは、九州大病院口腔(こうくう)ケア・予防科の斎藤俊行講師らで、血糖値に異常があり糖尿病と診断される一歩手前の「境界型」に注目。同病院が疫学調査を続けている久山町の住民のうち88年の健診で血糖値が正常だった406人について、98年の健診で血糖値の推移と口の健康状態を調べ、歯周病のある人が境界型になりやすいかどうかを分析した。
98年に境界型と診断されたのは72人。血糖値の悪化にかかわるとされる肥満度や運動習慣といった要素が影響しないように計算すると、中程度の歯周病がある人はない人よりも2・1倍、重度の人だと3・1倍、境界型になりやすかった。
歯周病は、主に細菌が歯と歯茎のすき間などにたまって起こり、放置すると歯を支える骨が溶けることもある。歯周病が続くと、細菌が血中に入り込み、血糖値を下げるインスリンの働きの邪魔をするとされている。
◆「アカネ色素」に発がん性・厚労省が販売自粛を要請
ハムやかまぼこなどの着色に使われる食品添加物「アカネ色素」に発がん性が認められたとして、厚生労働省は18日、メーカーに同色素を使った食品の製造・販売の自粛を要請、消費者にも同色素が入った食品の飲食を控えるよう呼び掛けた。健康影響評価を依頼した食品安全委員会の意見などを踏まえ、使用禁止を判断する方針。
アカネ色素はセイヨウアカネの根から抽出した着色料で、食品を黄色や赤紫に着色する。主にハム・ソーセージなどの畜産加工品や菓子、清涼飲料水に使用され「着色料(アカネ)」や「アカネ色素」という表示が義務づけられている。
国内生産量は3―5トン程度。同色素を使用した菓子などの食品が昨年だけで中国などから23トン輸入されているが、使用食品の国内流通量は不明。これまで国内で健康被害は報告されていないという。
[2004年6月19日/日本経済新聞 朝刊]
◆健康食品から医薬品以上の成分検出 摂取注意呼びかけ
足のむくみ対策などをうたったハーブの一種、メリロートエキス配合の健康食品について、国民生活センターは4日、11銘柄を調べた結果、3銘柄で、有効成分クマリンが医薬品で1日に服用する量の2〜5倍検出されたと発表した。取りすぎると肝機能障害を起こす可能性が高まるため、同センターは過剰摂取への注意を呼びかけている。
3銘柄はディーエイチシーの「メリロート」、ロート製薬の「セラシーン」、小林製薬の「メリロート」。
◆喫煙者の男性で平均13.2年、女性で平均14.5年、寿命が短縮−−米国厚生省が報告書
米国厚生省(HHS)は5月27日、喫煙は体のほぼ全ての臓器に対して悪影響があることを明らかにする報告書、「The
Health Consequences of Smoking」を公表した。報告書では、これまでの研究結果のエビデンスに基づき、喫煙が原因と考えられる多数の疾患を特定している。
HHSでは1964年に、初めて喫煙の健康に与える悪影響について報告書をまとめて以来、27回に渡り同様の報告書を公表している。今回、これまでの報告書で特定できなかった疾患で、新たに因果関係があると認めたものの例としては、胃癌、子宮頚癌、膵臓癌、腎臓癌、急性骨髄性白血病、肺炎、腹部大動脈瘤、白内障、歯周炎などがある。
同報告書ではまた、喫煙者は男性で平均13.2年、女性で平均14.5年、早死にするとしている。 米国では毎年、喫煙が原因で死亡する人は約44万人だという。さらに喫煙が原因となる疾患の治療にかかる医療費は年間750億ドルで、生産性が失われることによる損失は年間820億ドルに上るとしている。
◆「ステロイド使わずアトピーに効く」クリームがステロイド入り 警視庁、厚労省が指摘
厚生労働省は6月3日、警視庁からの連絡として、「ステロイドを含まないがアトピー性皮膚炎に効く」と称して販売されていたクリームにステロイドが含まれており、薬事法違反に当たると発表した。 問題の製品は、漢方堂が販売している「桃源クリーム」と「桃源ローション」。ステロイドホルモンのプロピオン酸クロベタゾールが含まれていた。薬事法上の医薬品の無許可販売に当たるという。ステロイドを含んでいるので、急に使用を中止するとリバウンドを起こすことがあり、医師の管理のもとで、徐々に減らしていく必要があるという
◆コンド−ムにN−ニトロソアミンが−−独の学者が警告
ドイツの科学研究所が、コンドームの中には、「N−ニトロソアミン」が含まれているものがあり。この成分には発ガン性があると5月末に発表した。 この研究所は、シュトゥットガルトにある「化学獣医学研究所」(Chemical
andVeterinary Investigation Institute )で、発表によると、同研究所で、ドイツ国内の32種類のコンドームを調べたところ、29種類から「N−ニトロソアミン」の存在が確認されたという。なお、同研究所では、日本国内のコンドームについては分析していない。
◆糖尿病が急増した背景にコーンシロップあり──米
トウモロコシのでんぷんからつくられた糖分のコーンシロップの使用量の増加にともない、2型(成人型)糖尿病が急激に増えたとする説を唱える研究者が出てきた。インターメディック・メディカルグル−プ(フロリダ州)の医師、リー・グロス博士は雑誌「臨床栄養学」で、この説の検証データを発表した。 それによると、この20年間で、米国人のカロリー摂取が大きくアップし、その結果、肥満が増え、糖尿病が増えた。これを分析してみると、炭水化物の摂取に関係していることがわかった。この20数年間に、1日当たりのカロリー摂取が、平均500キロカロリーも増えていたが、このうち、428キロカロリ−(増加分の80%)は、炭水化物で、その内容をさらに吟味すると、加工食品に含まれているコーンシロップに行き当たった。「われわれが口にする炭水化物の20%はコーンシロップであり、総エネルギーの10%はコ−ンシロップがもとになっている」と博士は述べている。
◆ビールに「妊娠中の飲酒は胎児の発育に悪影響」表示へ
妊産婦の飲酒が胎児や乳幼児の発育に影響があることを広く呼びかけるため、ビール酒造組合は10日、ビール製品に記載する統一的な注意表示を発表した。
表示は「妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります」との文面。組合に加盟する大手ビール4社とオリオンビールが、6月製造分から、ラベルや製品に表示する。
各社はこれまで、妊娠中に飲酒すると胎児性アルコール症候群となり、発育障害や知能障害を引き起こす恐れがあると、ホームページや小冊子などで説明してきたが、「妊産婦飲酒への社会的な懸念の高まりに配慮し、注意を促すことが社会的責任」(キリンビール)と判断した。
ビールだけでなく、発泡酒や缶酎ハイ、ウイスキーなど酒類全般に表示を広げていくという。 (2004/05/10)
◆毎日酒を飲む人は、脳の障害にご注意
毎日のように酒を飲んでいる人は、アルコール中毒で入院している患者と同程度に脳の働きに障害が起きているという報告があった。
米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校での研究。研究者らは、新聞やちらしを使って募集した46人の慢性ヘビードリンカーと、52人の軽い飲酒者を対象に試験をした。
ヘビードリンカーは、1カ月に100杯以上アルコ−ルを飲む人とした。定義した1杯はワインならグラス1杯、ビールは小ボトル、または缶1本を目安とした。
被験者には、読むなど言語に関するテスト、情報処理のスピ−ド、バランス感覚、一般的記憶力、空間感覚、学習と記憶、など、いろいろな機能を計るテストを行い、さらに、MRI(核磁気共鳴映像法)を使って、脳の構造的変化を調べ、あるいは脳内の化学物質を調べて、脳の機能に異常がないか調べた。
その結果、ヘビードリンカーでは、はっきりと脳の機能に障害が起きており、この脳機能の異常はアルコール中毒で入院している患者と共通していたという。
◆鉄分が不足すると、思考力、記憶力が落ちる [2004/04/26]
鉄分が不足すると、思考力、記憶力が低下することが、若い女性を対象にしたテストでわかった。ペンシルベニア州立大学での研究。
この研究は、4月19日、首都ワシントンで開かれた「2004年実験生物学会」(Experimental Biology 2004
conference)の栄養科学部会で、同大学のローラ・マレーコルブ博士らによって発表された。
研究者たちは113人の若い女性を、(1)鉄分が不足していない正常な人(2)貧血ではないが、鉄分がやや不足している人(3)貧血気味の人──の3つのグループに分け、注意力、短期、長期の記憶力を調べるテストをさせた。
その結果、まず、貧血気味のグループは、注意力、記憶力ともに、他のグループより、明らかにスコアが低かった。鉄分が足りないが貧血ではないグループは、正常なグル−プと比較すると、スコアはほぼ同程度だったが、回答に要した時間が長かった。
そこで、研究者たちは、全員に60ミリグラムの鉄分のサプリメント錠剤、または、偽薬を4カ月間飲ませた。その結果、全般的に、鉄分を飲んだ人たちは、注意力、記憶力ともにはっき改善したことが認められた。
◆モーツァルト効果[2004-04-26 09:09:15]
モーツァルトをラットに聴かせると、海馬においてBDNF(神経成長因子)、CREB(記憶や学習に関わる物質)、synapsin
I(シナプス成長因子)の発現レベルが上昇するとわかりました。 サンフランシスコで開催されたCognitive Neuroscience
Symposiumで発表された研究成果です。 モーツァルトのソナタを聴くと空間認知機能が改善するという報告が1993年10月14日のNature誌に発表されています。今回新たに発表された研究成果から、モーツアルトを聴くと、脳内で実際に変化がおきるとわかりました。
モーツァルトは、アルツハイマー病などの認知機能障害に効果があるかもしれません。
◆メーク落としで角膜損傷や視力低下のトラブル、東京都が公表[2004.4.21]
眼のまわりのメークを落とすときには、メーク落としの成分表示をもう一度確かめた方がよさそうだ。東京都は2000年9月から2004年3月の間、都の消費生活センターにメーク落とし剤による眼のトラブルに関する相談が6件寄せられ、そのうち5件で「オレス系」と呼ばれる界面活性剤を含む製品が使われていたことを明らかにした。トラブルがあったケースでは、メーク落とし剤が眼に入ると時間の経過とともに「痛み」や「かすみ」の症状が現れた。視力が低下したケースもあった。医師の診断では角膜損傷が確認されている。
トラブルが報告されたオレス系界面活性剤配合のメーク落とし剤4製品については、消費生活センターに対する苦情のほか、メーカーが受け付けた苦情が132件あり、ほとんどのケースで通院による治療が必要になっている。 販売総数は4製品合計で約123万本なので、顕在化したトラブルは1万本に1件強という計算になる。トラブルが確認されたオレス系界面活性剤配合のメーク落とし剤4製品については、3製品は販売中止、残りの1製品は、東京都の指導によって「自主的に」回収されており、店頭には出回っていないと考えられる。
オレス系界面活性剤は乳化のために添加されている成分で、「オレス-2」「オレス-10」あるいは「ポリオキシエチレンオレイルエーテル」などと表示されている。手元のメーク落としの成分表示を一度確認し、オレス系界面活性剤の表示がある場合は、眼の周囲のメーク落としには使わない方がよさそうだ。なお、オレス系界面活性剤自体は化粧品への配合が認められたもので、眼に入った場合以外のトラブルは報告されていないという。
◆発ガン物質・アクリルアミドは予想以上に多くの食物中に含まれている/FDA報告
2004-04-18 08:06:34 FDAの報告によると、発ガン物質として知られるアクリルアミドが、これまでの予想以上に多くの食物に含まれていることが明らかになりました。
750種類の物質が調査されました。その結果、プロセスチーズ、牛乳、アイスクリームからアクリルアミドは検出されませんでしたが、クッキー、ビスケット、スイートポテト等には比較的高レベルのアクリルアミドが含まれていました。そのほか、子供が好む食べ物としてピーナツバターやチョコチップクッキーなどからもこの発ガン物質が検出されました。
家で焼く肉には含有されていないようでしたが、フライドチキンやチキンナゲットにはアクリルアミドが含まれていました。 果実ジュースや野菜からは検出されませんでしたが、ボトルに入ったプルーンジュースや黒オリープからアクリルアミドが検出されました。
今後FDAは食物中に含まれるアクリルアミドがどれほど危険かを調べていく予定です。
◆プーアル茶にダイエット効果、アサヒ飲料など確認
アサヒ飲料とアサヒビールは「プーアル茶」に脂肪吸収と減量後のリバウンドの抑制効果があることを確認した。マウス実験ではウーロン茶など他の中国茶に比べても優位性があったといい、今後、ヒトも対象に試験を重ね、商品化につなげていく。
リバウンド現象については、高脂肪食で一定期間飼育したマウスを使って実験した。通常飼料と、プーアル茶やジャスミン茶などの乾燥粉末を混ぜた飼料を与えた場合を比べた結果、茶成分混合飼料はジャスミン茶以外は明確な体重増加が認められず、特にプーアル茶の効果が最も大きかったという。
[2004年4月9日/日経産業新聞]
◆マクドナルド、全米で健康メニュー発売へ 歩数計付き
米マクドナルドは15日、肥満防止のための健康メニューを、全米で相次いで発売すると発表した。5月からサラダとミネラル水に歩数計をセットにしたメニューを売り出して運動の大切さを訴えるほか、6月にはフライドポテトのかわりに薄切りリンゴを選べるサービスを始める。
成人の3割以上が肥満といわれる米国ではファストフードの食べ過ぎが問題視されており、多くの選択肢を示すことで批判をかわす狙いもある。
サラダに使うドレッシングには低脂肪の品ぞろえをし、飲み物は果汁100%のリンゴジュースなど健康志向のメニューを増やす方針だ。「まずは身内から」と、全米約1万3000店の従業員60万人以上に歩数計を配り、積極的に歩いて健康づくりをするよう求める。
(2004/04/16)
◆能動喫煙で乳癌リスク上昇
〔米メリーランド州ベセズダ〕 カリフォルニア保健福祉省(カリフォルニア州エメリービル)のPeggy Reynolds博士らの研究で,能動喫煙と乳癌との関連が従来考えられていたより大きいことがわかり,Journal
of National Cancer Institute(2004; 96: 29-37)に発表された。
◆現在喫煙者で約30%高い
たばこの煙には多くのヒト発癌性物質が含まれており,煙の代謝産物は喫煙者の乳汁中で検出される。しかし,喫煙と乳癌リスクの関連を調べた研究結果には相互に矛盾するものがあった。喫煙の時期,乳癌診断時の年齢,遺伝的な乳癌リスクなどの影響を独自に評価できた研究は少なく,非喫煙者の受動喫煙,あるいは間接喫煙を考慮した研究もあまり行われていない。
Reynolds博士らはCalifornia Teachers Studyの登録者のうち,参加時の調査で喫煙歴を申告した11万6,544例の女性の乳癌リスクを調べた。1996〜2000年に2,005例が浸潤性乳癌の診断を受けた。現在喫煙している女性の乳癌罹患率は非喫煙者より約30%高かった。この結果は,比較対象となった非喫煙者の間接喫煙経験の有無に左右されなかった。
能動喫煙者のサブグループの分析では,(1)20歳以前に喫煙を開始(2)最初の出産以前に 5 年以上の喫煙歴(3)長期喫煙(4)
1 日20本以上の喫煙−で乳癌リスクが上昇することがわかった。現在の喫煙は,乳癌の家族歴のない女性のリスク上昇と関連していたが,家族歴のある女性では関連性がなかった。元喫煙者では統計学的に有意な乳癌リスクの上昇は見られず,受動喫煙と乳癌リスクの関連を裏づける因子はなかった。
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◆夕食後に歯磨きしないと虫歯菌30倍に ライオン調べ
「夕食後に歯みがきや口すすぎをしないと、翌朝に虫歯の原因になる菌が、夕食後の約30倍になる」。ライオンの調査で、こんな結果が出た。
20代から50代の男性12人を実験対象にし、夕食後、就寝前、起床後の3回、唾液(だえき)をとり、虫歯の原因になるミュータンス菌がどれだけ増えるかを調べた。その結果、夕食後に歯の手入れをしないとミュータンス菌が10〜48倍、平均して約30倍になった。
唾液は、口の中の細菌や食べ物の残りかすを洗い流す機能をもっているが、就寝中は分泌量が減るため、ミュータンス菌が増える。ライオンは「虫歯を防ぐには、寝る前の歯みがきが効果的なことが示された」としている。
(2004/03/20)
◆妊婦はサバやメカジキを食べるな=水銀含有量が多いと米当局が勧告
【ワシントン19日】米政府はこのほど、魚を食べることは健康によいが、水銀含有量の多い一部の魚については、妊婦および新生児とその母親は摂取しないほうがよいと勧告した。この勧告は食品医薬局(FDA)と環境保護局(EPA)が合同で出したもの。妊娠を計画している女性や、妊婦、授乳中の女性は安全のために、食べる魚の量と種類に注意したほうがよいとしている。
水銀含有量が多いため食べないほうがよい魚としては、サメ、メカジキ、サバ、アマダイなどの名前が挙がっている。またビンナガマグロは缶詰のツナよりも水銀を多く含んでいるという。
一方、水銀の少ない魚介類は、小エビ、サケ、タラなどだ。
FDAとEPAはこうした警告の一方で、健康かつバランスの取れた食事にとって魚の摂取が重要であることも強調している。〔AFP=時事〕
◆抗うつ剤服用の危険性を米FDAが警告 [2004/04/02]
FDA(米食品医薬品局)は、3月22日に米国で最もよく使われている10種類の抗うつ剤のメーカーに対して、「服用者が自殺を試みるおそれがあるので注意するように」とのラベル表示をするよう要請した。 抗うつ剤を飲んで、自殺を考えたり、実行するケースが、とくに子どもや青少年に多く報告されており、FDAは、今年(2004年)2月に、公聴会を開いて、自殺した子どもの親などから、その実態を聞いた。 これを受けて、FDAは警告のラベル表示を要請することになった。
◆FDAが発癌物質を含む新たな食品を検出
米国食品医薬品局(FDA)は、先ごろヒトへの影響は不明ながら多量摂取が動物に癌を生じさせるアクリルアミドがブラックオリーブ、プルーンジュース、粉末ホットドリンクのポスタム、粉ミルクで検出されたと発表した。
2002年にスウェーデンの科学者らがアクリルアミドを深刻な問題とするよう世界保健機関(WHO)に要請したことから、FDAは食料品店およびファーストフードレストランで購入した食品を検査した。
検査では高温で調理したポテトチップやフレンチフライなどジャガイモを基本にした炭水化物の豊富な食品でアクリルアミドの濃度が高いことが確認された。
しかし、濃度に一貫性がなく、含量も微量であったため、消費者に対する勧告はバランスのよい食事の推奨のみで、スナック類の摂取を控えるよう求めるまでには至っていない。
[2004年3月25日/HealthDay News]
◆トマトの赤み成分であるリコピンは女性の心循環器疾患を予防する
癌、心臓病などを患っていない女性39,876人を平均4.8年間追跡調査したところ「トマトを初めとした赤い野菜に多く含まれ、前立腺癌の予防効果がある抗酸化物質・リコピン(lycopene)の血中濃度が高い女性は心循環器疾患になりにくい」とわかりました。
2004年1月のAm J Clin Nutr誌に発表された研究成果です。
下位1/4の女性に比べてリコピン濃度が上位3/4の女性は心循環器疾患におよそ50%なりにくいという結果となっています。
同じく2004年1月のAm J Clin Nutr誌に血液中のリコピン濃度が高い人は結腸直腸腺腫になりにくいという結果が発表されています
◆マグネシウムは糖尿病を予防する
ナッツ、穀物、青野菜などに多く含まれるマグネシウムを多く摂っている人は糖尿病になりにくいという2つの試験結果が発表されました。
2004年1月のDiabetes Care誌に発表された研究成果です。
1つ目の試験(Diabetes Care. 2004 Jan;27(1):134-140.)では看護婦85,060人・医療従事男性42,872人を2-4年毎に看護婦は18年間、医療従事男性は12年間追跡調査しました。
この結果、マグネシウムの摂取量が増えるにしたがって糖尿病のリスクは反比例して低下するとわかりました。
2つ目の試験(Diabetes Care. 2004 Jan;27(1):59-65)では糖尿病、心臓病、癌ではない45歳以上の女性39,345人を対象にして6年間追跡調査しました。この結果、BMIが25以上でマグネシウムを多く摂っている女性は糖尿病のリスクが低いという結果となりました。すなわち太り気味の女性においてのマグネシウムは糖尿病の発現を防いだのです。マグネシウムの糖尿病予防効果がなぜ太り気味の女性のみでしか発揮されないのかは不明です。
※O−リングテストでは、癌のある人がウオールナッツやカシューナッツを食べ過ぎると、癌の腫瘍マーカーが上昇することがわかっています。癌のある人は、他の食物からマグネシウムを摂取することが望ましいです。
◆ココアには赤ワインの2倍、緑茶の3倍の抗酸化物質が含まれている
ココアには赤ワインと比べて2倍、緑茶と比べて3倍多く抗酸化物質が含まれているとわかりました。抗酸化物質には心臓病や癌を防ぐ作用があるとされています。
2003年12月3日のJournal of Agricultural and Food Chemistry誌に発表された研究成果です。
具体的な抗酸化物質の含有量は以下の通りです。
ココア:フェノール 611 mg、フラボノイド 564 mg
赤ワイン:フェノール 340 mg、フラボノイド 163 mg
緑茶:フェノール 65 mg、フラボノイド 47 mg
紅茶:フェノール 124 mg、フラボノイド 34 mg
チョコバーにも抗酸化物質は豊富に含まれます。しかし飽和脂肪酸の量が多いため、心臓や循環器疾患に効果があるかどうかは疑問が残ります。カップ一杯のココアに含まれる飽和脂肪酸は僅かに0.3mg、40gのチョコバーに含まれる飽和脂肪酸量は8gもあります。
◆虫歯で歯が抜けるのは心臓病の疑いあり
55歳以上の男女700人を対象にした調査から「虫歯で0-9本の歯を失った人の46%の頚動脈にプラーク(斑)が生じていた」という結果となりました。研究成果が2003年7月31日のStrokes誌に発表されています。
この結果から、虫歯で歯を失うことは心臓・循環器疾患の前駆症状である可能性があると考えられました。10本以上失った人に関してはおよそ6割が頚動脈にプラークをもっていました。
なぜ虫歯が多い人は体内に細菌が多いと考えられます。それらの細菌が体内で炎症を引き起こし、その炎症が血管にプラークを生じさせているのではないかという仮説が提唱されています。
◆何度も再利用した油を使うと高血圧になる
スペイン Pizarraの住人538人(18-65歳)のクッキングオイルと高血圧の関係を調べたところ「食用油を何回も再利用して使う人やひまわり油を使う人は高血圧になりやすい。逆に一価不飽和脂肪酸を多く含むオリーブオイルを使用する人は高血圧になりにくい」という結果となりました。
2003年12月のAm J Clin Nutr誌に発表された研究成果です。
何度も再利用すると極性化合物やポリマーが油中に多くなっていきます。研究者等は538人の家庭に赴いて各家庭で使用されているクッキングオイルの種類、クッキングオイル中の極性化合物とポリマー濃度を測定し、高血圧との相関を調べました。
この結果、極性化合物やポリマーを多く含む油を使っている人やひまわり油を使っている人で高血圧が多くなっていました。一方血液中に一価不飽和脂肪酸が多い人は高血圧になりにくいという結果となりました。
◆1週間に3回魚を食べるとアルツハイマー病に48%罹り難くなる
試験開始時に痴呆ではなかった平均年齢75歳の男女1137人を平均10年間追跡調査したところ「1週間に3回魚を食べてドコサヘキサエン酸(Omega-3脂肪酸)の血中濃度が上昇するとアルツハイマー病のリスクがおよそ半分(48%低下)になる」という結果となりました。
American Heart Associationのscientific sessionsで発表された研究成果です。
2003年6月のArch Neurol誌には1週間に1回魚を食べるとアルツハイマー病に60%罹り難くなるという結果が発表されています。
◆X線検査で、わずかながらガンが増えている
診断用のX線検査で、わずかではあるがガンのリスクが高まるという。英オクスフォ−ド大学の研究者が1月31日発行の医学誌「ランセット」で発表した。
研究を行った同大学エイミ・ベリントン・ゴンザレス博士は「X線検査は20世紀における重要な医学の進歩で、その恩恵は計り知れない。しかし、この検査によって、電離放射線をたびたび受ける人が増え、そのために、わずかではあるが、ガンにかかりやすくなっている事実も知る必要がある」と述べている。
同博士らは、14の工業先進国のデータを使って、X線のタイプ、使用回数、線量などを調べた。そして、X線使用に伴うとみられるガンの発生数を推定した。その結果、全体のがんに占めるX線関連ガンの発生の割合が、各国のなかで一番高かったのは日本で3%だった。その他、例えば、クロアチアが1.8%、英国やポーランドは0.6%だった。日本は、調査した国のなかでは、X線検査の回数が飛び抜けて多く、その頻度は国民1000人当たり年間1500回で、1人が1年に平均1.5回X線を受けていることになる。この割合は、英国では1000人当たり500回だという。
X線照射で増えるガンとして、男性では膀胱ガン、女性では、肺ガン、大腸ガンが多いことがわかったという。
◆ワシントンの水道水が鉛に汚染されている
米国の首都ワシントンの「上下水道局」(WASA)が1月30日明らかにしたところによると、ワシントンの家庭の3分の2が、許容基準を超える鉛に汚染された水道水を使っていることがわかった。昨年(2003年)夏に調査した結果わかったもの。
調査したのは、ワシントン市内の住宅6118戸で、このうち、3分の2に当たる4075戸の水道水が、米連邦政府の環境保護局(EPA)が1991年に定めた鉛の許容基準である15ppmを超えていた。首都ワシントンにおける水道水の鉛汚染は、1980年代にも問題になったが、再びこの問題が起きて、住民の不安をかきたてている。
水道局では、一部で水道管として使われている鉛のパイプに腐食が進んでいる可能性があるとして、調査を急ぎ、パイプの交換を検討するとしている。ワシントンでは、住宅用水道管が13万本走っているが、このうち、2万3000本がまだ鉛管で、残りは銅管。
◆ベッドで足をジタバタさせる人は鉄分が足りない
夜、ベッドに入ってから、じっとしておれなくて、しょっちゅう足を動かしたり、蹴飛ばすようなしぐさをしている人が、かなりいる。これは、足にうずくような、しびれるような、ジンジンとした不快感が走るためだという。この不快感の原因は、長年なぞとされていたが、米ペンシルベニア州立医科大学のジェームズ・コナー博士が、脳内に鉄分が不足しているためではないか、という新説を出した。
この症状は医学的には「下肢静止不能症候群」(restless legs syndrome、RLS)という。博士は、RLSの人とそういう症状のない人の脳を調べてみた。その結果、RLSの人では、脳内の鉄分の運搬にかかわる受容体が少なく、鉄分欠乏の状態にあることを突き止めた。そこで、RLSの人に鉄分のサプリメントを与えてみたところ、一時的にも症状が緩和した、という。この研究は、このほどシカゴで開かれた睡眠関連の学会で発表された。
◆大腸がん予防は節酒と禁煙
大腸がんになるリスクは、飲酒量の多い男性や喫煙者で高くなることが、厚生労働省研究班の調査で分かり、米国がん学会の疫学専門誌に発表した。
40−69歳の男女9万人を7−10年間追跡した調査を分析した結果、1日に日本酒換算で2合以上のアルコールを飲む男性の発症リスクは、飲まない人の2・1倍。女性では差が出なかった。喫煙者のリスクは男女ともに、非喫煙者の1・4倍。
2合以上の酒を飲み、たばこを吸う人の大腸がん発症率は、両方ともしない人の3倍。もし、1日2合以上の飲酒やたばこがなければ、大腸がんの46%は予防できる計算だという。
班長で国立がんセンターの津金昌一郎予防研究部長は「大腸がん予防には、節酒と禁煙が大事だと思う」と話している。
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◆魚の脂肪分が精神機能の低下を防止
サバ、サケ、ニシンなど脂肪分の豊富な魚と精神的な柔軟性、敏捷性、全体的な機能との関連性が確認され、食事における脂肪の摂取が中年者の脳機能に影響することが米国神経学会誌「Neurology」1月26日号掲載のユトレヒト大学医療センターによる研究で判明した。
研究者らは、伝統的に魚の摂取が多いオランダの45歳から70歳までの男女1613人を対象に認識力テストを行った。その結果、オメガ―3多価不飽和脂肪酸の豊富な食品および脂肪分の豊富な魚の摂取量が多い人は、そうでない人に比べて脳機能および敏捷性の低下リスクがそれぞれ19%、28%少なく、高コレステロール食を摂取している人では、記憶力および柔軟性の低下リスクが27%、26%増加していた。
過去の研究では高コレステロール食がアルツハイマー病患者におけるアミロイド斑形成の原因になりうること、オメガ―3脂肪および脂肪分の多い魚は心血管機能にも有益な効果があること、トランス脂肪酸などの飽和脂肪が心臓に悪影響を及ぼすことが判明している。しかし、数カ月前に発表された過去の追跡データを用いた同様の研究では、食事脂肪と脳機能との関連性は確認されていない。
相反する研究結果から明白な結論を得るにはさらなるデータが必要であるが、ユリウス健康科学および初期治療センターのSandra
Kalmijn博士は、脂肪が豊富な魚の摂取量を増やしても害にはならないことは確かである、と助言する。また、知的技能の低下はアルツハイマー病発症の何十年も前に現れることがあるため、中年の認知機能に対する食事の効果を調べる研究は重要であると指摘している。
◆中国製ダイエット茶で肝障害 福岡の母娘、ネットで購入
厚生労働省は22日、中国製のダイエット茶「雪茶」を飲んだ福岡県の母娘に肝障害の症状が出たと発表した。現在は回復に向かっているという。
雪茶は中国雲南省の高原に生えているムシゴケを乾燥させたもの。中国ではお茶などに使われている。2人はテレビで雪茶を知り、インターネットで購入。8月下旬から約3カ月間にわたり、5社が販売した雪茶を煮出して1日約1リットル飲んでいた。母は10月下旬、血液検査で肝機能の数値が異常になり、動悸(どうき)などの症状が出た。娘は11月から急激に食欲がなくなって体重が減り、入院した。
福岡県の検査では、昨年問題になった中国製やせ薬に含まれていた「フェンフルラミン」などの医薬品成分は検出されなかったが、飲むのを中止後に症状は改善しており、雪茶が原因だとみられている。
(2003/12/22)
◆中国製漢方薬のみ肝機能障害で死亡 服用中止を呼びかけ
中国製の漢方薬を飲んだ山口県の男性が、肺炎や肝機能障害などを起こして死亡していたことが分かったと、厚生労働省と山口県は6日、発表した。この漢方薬が原因となった可能性が高いと見て、同様の薬で異常を感じたら服用を中止するよう呼びかけている。
厚労省などによると、死亡したのは山口県の男性会社員(54)で、02年に上海へ出張した際に漢方薬を購入。昨年9月、医療機関で処方されたかぜ薬と一緒に飲んだところ、せきや発熱の症状が悪化し同県内の病院に入院、12月に死亡した。
漢方薬の商品名は不明。粒状で陶磁器のつぼ二つに50グラムずつ入っていた。箱に「老城隍廟 童涵春堂 國薬公司」製と記され、日本語で「頻尿や口渇(糖尿病の症状)、新陳代謝を改善し、約2カ月で全治します」と書かれていた。
山口県が分析した結果、4人が死亡するなどの被害が出た中国製「やせ薬」に含まれていたNニトロソフェンフルラミンなどの成分は検出されなかった。
(2004/01/06)
◆中国製「精力剤」服用後に肝機能障害 医薬品成分含有か
厚生労働省は13日、中国製の健康食品「三便宝」から、医薬品成分に似たヒドロキシホモシルデナフィルという物質が検出されたと発表した。「三便宝」は濃い青色のカプセル剤で、「精力剤」とうたわれている。インターネットで個人輸入した福島県の男性が服用後、肝機能障害を起こした。因果関係は不明だが、厚労省はこの製品の服用をすぐにやめるよう注意を呼びかけている。
(2004/02/13)
◆医学 : 母親の食事は子供の寿命に影響
母親がどんな食事をしたかは、子供の寿命に影響する可能性がある。少なくともマウスではそのようだ。この報告は、妊娠中あるいは母乳で育児中の女性に関わってくる話かもしれない。
妊娠中、授乳中を通してタンパク質を20%含む正常な餌を与えられたマウスでは、子供の寿命が約2年である。妊娠中には正常な餌を、授乳中には低タンパク質の餌を与えられた母マウスの仔は、平均して2か月長生きしたとS
E OzanneとC N Halesが報告している。妊娠中に低タンパク質の餌を、出産後は正常な餌を与えられた母マウスの仔は、対照群よりもおよそ6か月早く死亡した。産まれた仔マウスをその後、糖分の多いファーストフード風の食事で育てると、この傾向はさらに増幅された。
この知見は、ヒトの栄養や成長と関連があるかもしれない。「両極端の2つの例について見ると、寿命のちがいは50%以上にもなる」と著者たちは述べている。 (Natureより)
Third National Health and Nutrition Examination
Survey (NHAMES III) に参加した4-16歳の児童7,505人を対象にした調査から「ベータカロチン(beta-carotene),
ビタミンC(vitamin C), セラニウム(selenium)といった抗酸化物質の血中濃度が高い児童は喘息になりにくい。特に間接喫煙を被っている児童においてその作用は顕著だった」とわかりました。
2004年2月1日のAm J Respir Crit Care Med誌に発表された研究成果です。
血中のcotinine濃度で間接喫煙しているかどうかを判断しました。間接喫煙児童において、βカロチン濃度が1SD上昇すると喘息患者の割合が40%低下しました(間接喫煙していない児童では10%低下)。ビタミンCでもほぼ同様の結果でした。セラニウムについては、1SD上昇するごとに間接喫煙児童では50%、間接喫煙していない児童では10%喘息患者の割合が低下しました。
◆味噌汁を飲もう-大豆タンパク質は動脈硬化を防ぐ
卵巣を除去して閉経後の状態にしたサルを用いた20週間の試験から「大豆タンパク質を摂取したサルは冠動脈へのLDLの流入や冠動脈でのLDLの分解(LDL
degradation)が少なく、動脈硬化になりにくい」という結果になりました。 2003年12月のArterioscler
Thromb Vasc Biol誌に発表された研究成果です。
20匹は牛乳由来のタンパク質を摂取する群(20匹)、大豆由来のタンパク質を摂取する群(20匹)、牛乳由来のタンパク質と共にイソフラボンを摂取する群(17匹)の3群に分かれました。
3群を比較したところ大豆タンパク質を摂取したサルでは冠動脈でのLDLの分解(LDL degradation)が50%低下していました。一方イソフラボンを摂取した群ではそのような効果は認められませんでした。
また、大豆タンパク質を摂取したサルでのみ頸動脈でのコレステロールエステルの量が低下していました。以上より、大豆の動脈保護効果は、LDL流入とLDL分解減少作用に起因すると考えられました。
◆運動不足だと、危険な脂肪が内臓につく [2003/06/09]日経ヘルス
運動をせずに過すと、単に太るとか、体重が増えるなど、外見上の肥満だけでなく、外部からは見えないが、最も危険な、内臓脂肪がどんどん増えることがわかった。
研究したのは、デューク大学(ノースカロライナ州)のクリス・スレンツら。研究者らは、170人にボランティアを4つのグループに分けた。
第1のグループには、全く運動をさせなかった。そして、第2のグループには中程度の運動(1週間にウオーキング18キロに相当)を、第3のグループには強い運動を少量(1週間にジョギング18キロに相当)、第4のグループには強い運動をたくさん(1週間にジョギング28キロに相当)やらせた。
こうして、8カ月間経過を見てから内臓についた脂肪を測定したところ、全く運動をさせなかった第1グループでは、平均8.6%増加していた。これに対して、強い運動を多量にやらせた第4のグル−プでは、平均8.1%減っていた。他のグル−プはその中間だった。
研究リーダーのスレンツ氏は、「運動をしないと、腹部の内臓にいかに早く脂肪が蓄積するかがよくわかった。これには、研究者自身が驚いている。内臓に脂肪が蓄積すると、糖尿病の引き金となるインスリン抵抗性が増大するなど、健康への害は大きい。座り放しのライフスタイルは早く止めて、すぐにも運動するべきだ」と述べている。
◆高齢女性のホルモン療法はアルツハイマー病を呼ぶ [2003/06/03]日経ヘルス
65歳以上の女性が、エストロゲンとプロゲスティンの合剤で女性ホルモンを補充する療法を行うと、アルツハイマー病やその他の痴呆症にかかりやすくなる−−と言う報告が、5月28日発行の「米国医師会雑誌(JAMA)」で発表された。
この研究は、米連邦政府がスポンサーになっている権威ある試験研究組織の「女性の健康イニシアティブ」(Women's Health
Initiative )が行ったもので、65歳以上の高齢女性を、女性ホルモンの「エストロゲン−プロゲスティン」の複合剤を与えたグループと偽薬を与えたグループに分けて、4年以上観察したところ、ホルモン剤を与えたグループは、アルツハイマー病その他の痴呆症にかかった人の割合が2倍だったという。
◆仏教徒は穏やかで幸せ−−脳をスキャンしてわかる [2003/05/27]日経ヘルス
英科学誌「ニューサイエンティスト」が、伝えたところによると、修行経験が豊かな仏教徒は、気持ちが穏やかで、いつも幸福感に浸っていることが、脳をスキャンする新しいテクニックを使って、判明したという。
仏教徒の脳を調べたのは、ウイスコンシン大学マディソン校の科学者たちで、脳をスキャンして非常に活発になるのは、前部前頭葉のある部分で、ここが感情や、自己抑制、気質に関係している領域であるとわかった。ここが活発ということは、静穏な心を持ちながら、何事にも前向きに対処して、幸福感に満ちた生き方をしていることを示している、という。
また、カリフォルニア大学サンフランシスコ校医学センターのポール・エクマンらは、やはり脳をスキャンして、経験豊かな仏教徒は、瞑想することによって、恐怖や攻撃に関する感情を司る扁桃核を巧みになだめており、ショックを受けたり、いらいらしたり、驚いたり、怒ったりすることが少ないことがわかったと報告している。
◆ブロッコリー由来の抗前立腺ガン物質・DIM
[2003/05/20] 日経ヘルス
「ブロッコリーやカリフラワーに含まれる物質・DIMは、前立腺ガンの増殖を70%遅らせられる」とわかりました。研究成果が2003年6月6日のJournal
of Biological Chemistry誌に発表される予定です。
カリフォルニア大学の研究者等による成果です。
DIMはテストステロンの作用を抑えることで、前立腺ガンの増殖を防いでいるようです。
Broccoli Could Be Prostate Cancer Fighter
http://www.healthscoutnews.com/view.cfm?id=513199
◆携帯電話の電磁波は、人の細胞に影響を与える!
[2002/06/27] 日経ヘルス
携帯電話から出ている電磁波に、人間の細胞を変化させる働きがあることが実験でわかった。脳にも影響がありうるという。
「フィンランド放射線安全協会」のダリウス・レスジンスキー氏らの研究。雑誌「分化」(ifferenciation )5月号に掲載された。 研究者らは、人間の血管壁の細胞を培養し、携帯電話から出る電磁波と同じ量の電磁波を1時間当てた。
ごく低量の電磁波だが、細胞内の数百種類のたんぱく質が反応し、生物学的な変化が起きた。また、この変化によってストレスたんぱく質として知られている「hsp27
」も検出された。
研究者らは、このストレスたんぱく質の検出を問題視している。このたんぱく質には、脳を外界からの化学物質から守っている血液脳関門の機能を低下させる可能性があるという。 ただし、携帯電話の危険性にすぐつながるとはいえないようだ。
レスジンスキー氏は、「高感度の装置で、確かに生物学的な反応が起こることを確認できた。しかし、実際に人間の脳や体に影響があるかどうかは、まだわからない。今後まだ研究を重ねる必要がある」と述べている。
◆肺ガンのほか、胃ガン、肝臓ガン、腎臓ガンにも−−喫煙の影響
[2002/06/26] 日経ヘルス
たばこの煙に含まれる化学物質やガスは、肺ガンだけでなく、胃ガン、肝臓ガン、腎臓ガン、子宮頸部ガン、骨髄性白血病の発症とも関連があるという専門家グループの報告があった。 WHO(世界保健機関)の関連機関で12カ国、29人の専門家が集まる「国際ガン研究委員会」(International
Agency for Research on Cancer )がまとめたもの。 報告書では、肺ガンのほか、胃ガン、肝臓ガン、腎臓ガン、子宮頸部ガン、そして白血病の一種である骨髄性白血病もたばこが発症の一因になっていると指摘している。 害の源としては、たばこの煙が含む4000種以上の化学物質を挙げており、、一酸化炭素、アンモニア、フォルムアルデヒド、シアン化水素など毒性の強い物質も多いことを明らかにしている。
◆ポテトチップスに高濃度の発がん物質=スウェーデン研究◇
[ストックホルム 24日 ロイター] ポテトチップスやビスケット、パンなど、世界中で数百万人が日常的に口にしている食べ物に、がんを引き起こすとみられている物質がかなりの分量含まれているとする研究結果が、スウェーデンで発表された。
政府の食品安全機関とストックホルム大学が共同で行った研究で、炭水化物を多く含むコメやイモ、穀物などを焼くか揚げるかした場合、発がん物質の可能性が高いとされるアクリルアミドが非常に高い濃度で生成されることが分かった。これらの食品をゆでた場合には、アクリルアミドは生成されないという。
研究チームは今回の発見の意外性と重要性を重視、学会機関紙での発表を待たずに異例の事前発表を行った。
政府の食品当局者は会見で、「30年間この分野に携わってきたが、こんな結果は見たことがない」と驚きを語った。
発表によると、一般的な分量のポテトチップス1袋に含まれるアクリルアミドの濃度は、世界保健機関(WHO)が飲料水について許容範囲としている含有濃度の500倍にも及ぶことが判明した。
また、国内にある米ファーストフード大手バーガーキングやマクドナルドの店舗で販売されているフレンチフライでは、この濃度が約100倍だったという。
◆米栄養科学学会:「ウオーキングで減量」には理由が!
軽いウオーキングを1週間続けるだけで、満腹感をコントロールするホルモン「レプチン」のレベルが大幅に低下することが報告された。
米国Tennesee大学のNobuko Hongu氏らのグループが、4月22日のポスターセッションで発表した。試験に参加したのは、特に運動習慣がない23人の健康な成人(男5人、女18人、18〜54歳で平均28.7歳)。平均体脂肪指数(BMI)は25.7±1.0と太めの人が多い。歩数計をつけて1回20分以上のウオーキングを1日に2〜3回、1週間行い、前後の血中レプチン濃度を調べた。
事前のチェックから、被験者の体重、BMI、体脂肪率、血中中性脂肪とレプチン濃度は強く相関していることがわかった。つまり、肥満で中性脂肪が高いような人ほど、レプチン濃度も高い傾向があった。
試験の結果、レプチン濃度は、26±2ng/mlから11±3ng/mlへと減少した。なお1日歩数は事前に7437±706歩だったところ、試験期間中は11469±805に増加していた。体重や体脂肪率は有意に変化していない。
レプチンは満腹刺激を司るホルモンで、これが欠損したネズミが際限なく食べて太ることから発見された。肥満者ではレプチン濃度が高まっていることが多いため、肥満の原因として「満腹シグナル伝達系の障害によるレプチン感受性の低下」が考えられている。
Hongu氏は、今回のレプチン減少結果と肥満の関係はまだ未解明としながらも、「ごく軽い運動でレプチン感受性が改善できた可能性がある」と話している。(北村 昌陽、日経ヘルス)
◆ヒト精子の最大85%にDNA損傷
このページのURL http://www.kcn.ne.jp/~gauss/wen2/sperm_decline.html
◆「精子が衰えてきた」
2001年6月22日、カナダ、モントリオール・ガゼット
エーロン・ダーフェル記者による
http://www.montrealgazette.com/news/pages/010622/5081326.html
世界中から集まった科学者が、遺伝子に損傷をうけたヒトの精子が劇的に増えていると警告をうけた。人間は生殖能力を失う方向にあるだけでなく、生殖能力をもった男性の子どもたちに小児がんを引き起こしつつある。
健康な男子が作りだす精子は最大 85% までが DNA に損傷をうけていると見つもられる。
この問題では先端の研究をつづけている専門家が昨日、モントリオールの国際会議であきらかにした。
[訳注]
国際会議のプログラムによると、6月21日午後のセッションで発表された講演は次の通り。
Markers of sperm damage - S. Perreault Darney (chair)
Genome organization in human sperm - R. Balhorn (USA)
Sperm nuclear/mitochondrial DNA damage: new approaches - D. Sakkas
(UK)
The human spermatozoan-a cell in crisis? - R. J. Aitken (Australia)
Gene defects and infertility in man - K. Jarvi (Canada)
オーストラリアのニューカッスル大学・生物学部長であるジョン・エイトケン氏 John Aitken は、「きわめて異常です」
と述べる。「ラット、マウス、ウサギなら、だいたい精子の 80% 以上は正常です」。
この 20 年間、科学者は精子の減少に気をつけてきた。だが今や、ヒトの精子が着実に衰えつつあることに研究者たちが気づき始めている。脳ガンや小児白血病だけでなく、新生児障害も引き起こしている可能性がある。
精子の異常は、世界的に精巣ガンが増えている原因になっているとされつつある。このガンは30代の男性に多い。DNAに損傷のある精子が女性の卵に入ると、胎児の主要な遺伝子に突然変異を起こす可能性があると研究者たちは考えている。
たとえ今のところは生殖能力があっても、精子に損傷をうけると、男の子孫が不妊になる可能性があるとエイトケン氏はいう。「精液の質が悪くなると、たくさんの病気があらわれるようになるかもしれません」。
農薬や重金属を体内にとりこむことから、電磁波にいたるまで、広い範囲の環境要因が精子の異常をおこしているのではないかと科学者たちは疑っている。「私たちは祖先にくらべ10倍も多くの電磁波をあびています」
とエイトケン氏はいう。「私たちが使っている電気製品は携帯もふくめてすべてそうです」。
喫煙で精子に損傷をうけるのは、科学者の一致した見方だし、小児ガンの原因にもなっているらしい。「あなたが男であるとしましょう。そしてたばこを吸う。あなたの精液はみたところ影響をうけていないように見えるかもしれない」。さらにエイトケン氏は、「たしかに精子がうようよ泳いでいるし、生殖能力もある。しかし、精子の核にあるDNAはこわれているかもしれないんです」
と語った。
一回の射精には平均8000万の精子が含まれていて、これが卵子を受精させられるよう、遺伝子に情報が組み込まれている。ヒトの精子を調べた科学者たちが発見したのは、精子の数が減っているだけでなく、精子の大半が不活発であったり、形態が不充分であったり、DNAがこわれていたりすることだった。しかもDNAを破壊するはたらきを持つフリー・ラジカルという、いわば細胞内のごみが大量に発生していた。
「おしなべていうと、精子のすべてが悪くなっています」 とエイトケン氏はのべる。たいていの夫婦では、損傷をうけていない精子あるいは、損傷の少ない精子が卵を受精させようとしているのが幸いである。
男子の不妊が増えてきた結果、科学者たちは妊娠を助ける技術を進歩させてきた。これは細胞質内精子注入(ICSI)とよばれている。研究室の技師が、父になる予定の男性から一匹の精子を採取し、また場合によっては、これから精子に成長する予定の細胞を採取する。これをつかって試験管の中で、女性の卵を受精させる。発生した胚を女性の子宮に入れる。
トロント大学付属シナイ山病院のキース・ヤルヴィ博士Dr. Keith Jarvi によると、ICSIの技術は男性の不妊治療に革命をもたらしたが、ICSIでうまれた子どもたちの健康について心配しているという。
他の哺乳類とくらべてヒトの精子の質が以前より貧弱になっているのは驚くべきことではない。人類は衣服を着る唯一の動物だが、健康な精子は全身の体温とくらべて数度低い温度に保つ必要があるからだ。ヒトの精子の質が悪くなっていることについて、衣服の責任だけが問われていない、とエイトケン氏は述べている。
この 「男子をなかだちとする発達毒性に関する国際会議」 Conference on Male-Mediated Developmental
Toxicity には、130人以上の科学者が参加し、2001年6月23日も開催される。
◆たばこの煙に含まれる毒素が女性を不妊にさせる
[2001/07/26] 日経ヘルスニュース
たばこを吸う女性には、不妊症が多い、閉経が早い、などといわれてきたが、その原因物質を突き止めたと、ボストンにあるマサチューセッツ・ジェネラル・ホスピタルのジョナサン・ティリー博士が発表した。
博士の研究では、たばこの煙に含まれる多環芳香族炭化水素が、悪玉だという。この物質をメスのマウスに注射して、6年かけて体内での一連の化学反応を調べたところ、卵巣内の卵子を死滅させていることを突き止めた。
この物質は卵子の表面にある受容体に付着して、一連の化学反応の引き金となり、ついに卵子を死に追いやる。ただし、卵子が死に至る過程は緩慢で、すぐには検知できないという。 「長年かけて細胞を破壊するので、この毒素は、サイレントキラーと呼んでもいい。この物質による影響に気がついたときには、もはや手遅れとなっている。禁煙が一番です」と、博士は注意を促している。
◆地球: 鍋の中に毒? (テフロン鍋の危険性)
Nature 2001年7月19日 Vol. 412, No. 6844より
こげつかないフライパンに使われている被覆剤のテフロンと、それに似たような化合物は、劣化して、毒性の化学物質をつくりだすことをカナダの研究者たちが明らかにした。
彼らの発見によって、長期的な環境への影響が知られていない、このような化学物質を使い続けるべきかどうかについての議論が高まるだろう。テフロンや他のフッ素化された重合体は、オーブンや、こげつかない料理用台所用品、燃焼機関などに使われているが、トロント大学のS
Maburyたちは、加熱によって、分解された物質のミックスがつくられることを明らかにした。
これらには、残留性の高い化合物のトリフルオロ酢酸(植物に対して弱い毒性を示す)や、動物の組織に蓄積される長鎖のペルフルオロカルボン酸エステルや、それに、オゾンを破壊する微量のクロロフルオロカーボン(CFC)が含まれている。これらの永続的な効果については、あまりわかっていないので、使い続けることの是非が問題になるかもしれない。「私たちは、環境に非常に長く残留する化合物を使っているのだ」と、Maburyは述べている。
◆EPAが飲料水中に含まれるヒ素についての新たな基準を発表
環境保護庁(EPA)は、飲料水中に含まれるヒ素についての新たな基準を発表した。新基準では、許容レベルが50ppb(1ppbは10億分の1)から10ppbに引き下げられた。
EPAは、許容レベルの上限を引き下げることにより、1,300万人のアメリカ人がガン、神経系疾患、心臓血管系疾患、糖尿病など、ヒ素が原因の疾患から救われるとしている。(後略)
◆動脈硬化の新しい危険因子か?ヘキサコサン酸に注目集まる
[2001/02/08]
森永乳業、柳川リハビリテーション病院(福岡県柳川市)、明治生命が行ったヘキサコサン酸研究に対して、共同研究の申し込みやサンプル依頼が殺到している。
同グループが1月12日の日本成人病学会で発表した、「ヘキサコサン酸と生活習慣病のリスク要因に相関関係があり、赤血球膜のヘキサコサン酸値はタラ肝油摂取により低下する」という研究内容が国内研究者や医師の興味を引いている。
◆肝臓のナチュラルキラー細胞による腫瘍転移の監視機構における腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)の関与
Nature Medicine January, 2000 (Vol. 7, No. 1)
腫瘍壊死因子(TNF)関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)はTNFファミリーに属する膜貫通タンパク質であり、多種の形質転換細胞にアポトーシス性細胞死を選択的に誘導するが、正常細胞には誘導しない。
マウスおよびヒト以外の霊長類における前臨床的研究では、組換え型可溶性TRAILの投与によってTRAIL感受性腫瘍異種移植片の成長を、明らかな全身的毒性なしに抑制でき、これはTRAILを癌治療薬として使用できる可能性を示唆している。
しかし、生体の腫瘍監視機構におけるその生理的役割は未知のままである。ここで、順天堂大学の竹田和由たちはTRAILがマウスの肝臓のナチュラルキラー(NK)細胞上に恒常的に発現されていて、腫瘍転移の抑制に重要な役割を果たしていると報告している。
肝臓から分離されたナチュラルキラーT細胞や通常のT細胞ではなくNK細胞のみが細胞表面にTRAILを発現しており、これによりin
vitroでTRAIL感受性腫瘍細胞に対して細胞傷害活性が示された。TRAILに対する中和モノクローナル抗体を投与すると、いくつかのTRAIL‐感受性腫瘍細胞株の実験的肝転移が有意に増加した。このようなTRAILの抗転移効果はNK細胞を除去したマウスやインターフェロンg欠損マウス(肝臓のNK細胞上の
TRAILが欠損)では観察されなかった 。これらの知見はTRAILの腫瘍抑制因子としての生理機能の最初の証拠を提供している
◆癌治療のカプセル
Nature BiotechnologyJanuary, 2000 (Vol. 19, No. 1)
生きた製薬「工場」をマウスに1回注射するだけで、腫瘍への血液供給を遮断して、腫瘍を小さくできることがわかり、ヒトにも副作用の少ない治療法として利用できる望みが出てきた。
腫瘍細胞は、成長を続けるために酸素と栄養が必要なため、新たな血管網の発生を促進する。これを血管新生と呼ぶ。理論的には、血管新生を阻害して血液の供給を絶てば、癌の成長を止め、癌を殺すことも可能なはずである。
しかし、天然の血管新生阻害剤は医薬品としては効果がない。体内での分解が速いからである。この問題を克服するために、細胞「工場」を使って薬剤を腫瘍に到達させる方法が考案された。Rona
CarrollのグループとMary-Ann Readのグループは、生まれたばかりのハムスターの培養腎細胞を遺伝子操作し、天然の血管新生阻害物質エンドスタチンを分泌するようにした。この細胞をゼリー状物質で覆い、宿主の免疫系の目には見えないが「呼吸」はできるような状態にした。
次にこのカプセルをマウスに注入し、膠芽種という攻撃性の高い癌に対する作用を調べた。Carrollたちの研究では、マウスの皮下で成長させた腫瘍の近くにこのカプセルをわずか1回注射するだけで、腫瘍の重量が70%以上も減少した。Readのグループは違ったやり方を試み、癌の誘発前に脳にカプセルを注入した。すると、1回の注射で、癌の成長は抑えられ、ラットの生存期間は最長70%も長くなった。
どちらの方法でも癌は完全に消失はしなかったが、これらの研究は、生きた製薬「工場」を使って血管新生阻害剤を局所的に送達する方法が実現可能なことを示している。
◆ダイオキシン発生源、3.4%は「家庭」から
2000年3月、東京都環境保全局が「ダイオキシン類・年間排出量」の推計結果を発表
発表によりますと、東京都内で一年間に排出されるダイオキシン類の総量(53.6グラム)の排出源別内訳は、(1)大型焼却炉(処理能力1時間当たり200キロ以上)・・42.7グラム(79.7%)、(2)小型焼却炉(同50〜200キロ)・・8.2グラム(15.3%)、(3)家庭用小型焼却炉(同50キロ未満)・・1.8グラム(3.4%)、となっています
。なお、家庭用小型焼却炉で「塩化ビニール製の卵パック(10個用)」をたった1個を燃やしただけで、排出されるダイオキシン類が、東京ドーム2杯分における環境基準値上限(超えると健康に悪影響があるとされる数値)に到達してしまうことが、東京都環境科学研究所の実験でわかったそうです。
◆グルコサミンは確かにひざ痛に効く
日経ヘルスニュース[2001/02/06]
中高年のやや太り気味の人に出やすい病気が変形性ひざ関節症。歩き始めるときにひざが痛くて、歩くのがおっくうになる病気だ。
ところが、ここ数年、変形性ひざ関節症にはグルコサミンやコンドロイチンというサプリメント(栄養補助食品)がいいといわれてきた。
そのうち、グルコサミンについては、世界的に権威のある医学誌「ランセット」に、確かな効果を示す研究がこのほど報告された。
英医学誌「ランセット」に発表されたこの試験は、ベルギーのリエージュ大学の研究者が、ひざ痛の患者212人を対象に行ったもの。研究者たちは、患者の半数にグルコサミン硫酸の錠剤を毎日1錠ずつ与え、あとの半数には、外見がよく似た偽薬を与え、これを3年間続け、観察した。
試験開始時、1年経過時、3年の試験終了時に各人のひざをエックス線撮影して、患部の状況を記録した。
その結果、グルコサミンをのんだグループでは、痛みが軽くなり、ひざの動きが良くなっていた。しかも、この状態が、3年間の試験期間中持続した。
この試験結果について、ボストン大学医学センターの関節症専門家、ティム・マカリトン博士は、「このベルギーの試験は、関節症研究のなかで画期的な意味を持つ。これを機に、ひざ以外の部位も含めて、関節症治療が大きく変わるかもしれない」と評価している。
◆欧の狂牛病
日本を揺らす朝日新聞 [2/5 朝刊 ]
欧州を中心とした狂牛病騒動の影響がじわじわと日本にも押し寄せている。昨年秋以降、これまで未発生の国で見つかるなど、問題が再燃。食肉だけでなく医薬品の原料としても輸入している日本では、昨年暮れから国が対策の強化に乗り出した。
◆ナフタリンに動物実験で発ガン性−−ラットで確証
日経ヘルスニュース[2001/02/05]
たんすなどに入れて虫除けにするナフタリンが、小動物に対しては発ガン性を持つことがわかった。これは、米国立環境健康科学研究所(National
Institute of Environmental Health Sciences )の実験でわかったもの。
以前より、ナフタリンを吸う職場の人たちに、喉頭ガン、胃ガン、鼻腔ガン、結腸ガンが多い、というドイツからの報告があり、同研究所ではナフタリンの発ガン性をラットで調べた。 実験は、ラットに呼吸時にナフタリンの芳香を吸わせるようにして行った。その結果、ラットには鼻腔ガンができた。
ラットに吸わせたナフタリン芳香の量は、人間では、日常生活や職場で吸う量に相当する程度で、同研究所では、ナフタリンは人間に対しても発ガン性があるのかどうかを確かめるために、試験を急ぐことにしている。
◆A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎に増加傾向
2001.2.5
国立感染症研究所は2月2日、2001年第3週(1月15日〜1月21日)の感染症発生動向調査を発信した。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎と感染性胃腸炎が増加傾向にあり、全国平均定点当たり報告数がそれぞれ1.3と9.7で、第3週としては過去10年間で最高となった。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は、鳥取(5.2)、新潟(3.0)、山形(2.8)、富山(2.6)、群馬(2.3)などが多い。また、感染性胃腸炎については、宮崎(26.8)、愛媛(17.8)、三重(17.7)、徳島(16.4)、宮城(16.1)などで多く報告されている。
◆東京都が性感染症検査の結果公表、10代女性の半数がクラミジア感染陽性
2001.1.31
東京都は、保健所や保健センターなどで2000年1月から12月に性感染症の検査を受けた人のクラミジア抗体陽性率を公表した。それによると、10代の女性で49%が陽性だったという。
また、すべての年代を通して女性が高率に感染していることも明らかになった。
調査対象は、匿名・無料でAIDS検査を実施している保健所や保健センターなどで、性感染症の検査を希望したか、職員の勧めで検査を受けた人。感染の危険がある性的交渉を行った人や、症状があった人が主な対象となる。
検査結果では、男性は全年代を通して20%の前半だったのに対し、女性は10代のほか50代で57.1%と高く、他の年代でもすべて30%を超えていた。
(→バイ・ディジタルO−リングテストで、Chlamydia trachomatis及びChlamydia pneumoniae(肺炎クラミジア)陽性と疑われ、血液検査でも陽性と診断される人が多いです。)
◆航空機乗員の白血病は宇宙線が原因
日経ヘルスニュース[2001/01/25]
パイロットや客室乗務員などは、総搭乗時間が数千時間にもなると、白血病の危険性が高まるといわれている。そこで、実際に白血病になった乗員の染色体を調べたところ、宇宙線という放射線に飛行中にさらされることが原因の一つであることがわかってきた。
これは、デンマークのコペンハーゲンにある「ガン疫学研究所」のマリアンヌ・グンデストゥループ研究員らが、英医学誌「ランセット」で明らかにしたもの。 デンマークの研究者たちは、5000時間以上飛行したパイロットと客室乗務員合わせて3700人を調べて、航空機乗員に白血病やほかのガンが多いことを明らかにした。
さらに、白血病にかかった乗員7人を詳しく調べたところ、乗員の7人に4人の割合で、染色体に異常が見つかった。 比較のために、航空機とは関係のない職業の人で、放射線を浴びる治療を受けたために白血病が発病した患者も調べた。すると、航空機乗員の発病者の場合と、症状および染色体の異常のパターンが非常によく似ていた。
このことから、「パイロットなどの白血病は、飛行中に浴びる宇宙線という放射線に原因がありそうだ」とグンデストゥループ研究員は述べている。ただし、その因果関係を断定するには、さらに研究が必要と付け加えている。
なお、一般の乗客が空を飛んで白血病などのガンにかかりやすくなることはなく、少なくとも飛行時間が数千時間を超える乗員に限ったものと研究者たちは話している
(→大村恵昭先生は、世界各国を回って講演され、飛行機に乗る機会が多いので、ガイガーカウンターで測定したり、癌関連遺伝子やインテグリンα5β1やアセチルコリン等の飛行機に乗っている時間及び高度による変化、またそれらの異常変化がどのくらい持続するかを研究され、2,3年前にInternational
Journal of Acupuncture & Electro-Therapeuticsに論文を掲載されています。O−リングテストを用いると、物質の変化まで瞬時に調べることが可能です。)
◆パーキンソン病の発症、農薬関与の可能性
朝日新聞 [11/7 朝刊 ]
手足の震えや体のこわばりが起こるパーキンソン病の発症に、害虫を駆除する農薬が関わっている可能性があるとする研究を米国のグループがまとめ、米医学誌ネイチャ−・ニューロサイエンス12月号で発表する。
ネズミを使った実験の結果だが、農薬の長期的な影響は人間の場合にも関連しているのではないかと専門家は指摘している。
◆ベ−ト−ベンは鉛中毒だった−−毛髪を分析
日経ヘルスニュース[200010/30]
偉大なドイツの作曲家ベ−ト−ベンは鉛中毒だったことが、残された毛髪を分析してわかった。10月17日、米イリノイ州アルゴンヌで開かれた記者会見で明らかにされた。
発表した「ベ−ト−ベン・プロジェクト」の委員長ウイリアム・ウォルシュ氏によると、毛髪の分析は、国立アルゴンヌ研究所とマクロ−ン研究所(シカゴ)で4年かけて行ったもの。鉛の濃度は最高で60ppmと、正常な人の100倍以上。鉛中毒を引き起こすには十分な濃度だった。 ベ−ト−ベンの健康は、20歳頃まで正常だった。
やがて激しい腹痛に苦しみ、これが生涯続いた。ベ−ト−ベン自身が「疝痛」(colic)と呼んでいたこの痛みは、鉛中毒の特徴だという。 ベ−ト−ベンは、31歳で難聴が始まり、42歳には完全に聴力を失っているが、これも鉛中毒の影響かもしれない。
しかし、「鉛と難聴との関係については、今後さらに研究する必要がある」(ウォルシュ氏)ようだ。
ベ−ト−ベンは、いつ、どこで鉛中毒にかかったのか。ウォルシュ氏は「われわれの研究は、鉛中毒の原因を探るのが目的ではない」と断りながら、「ベ−ト−ベンは17歳の時母親を亡くした。その後、鉱泉保養地に行き、多量のミネラルウオ−タ−を飲んでいる。その水に鉛がまじっていたことが考えられる」と語った。
なお、ベ−ト−ベンの毛髪から水銀は検出されなかった。水銀は当時、梅毒の治療薬として使われていた。このことから研究者らは、ベ−ト−ベンが梅毒だったとする説は否定されたとしている。
マクロ−ン研究所はかつて、ナポレオンの毛髪を分析し、ナポレオンがヒ素で毒殺されたと一部で伝えられていた説を否定したことで知られている。
(→毛髪があれば、バイ・ディジタルO−リングテストで、このようなことを調べることができます。大村恵昭先生は、アイスマンのミイラから、どういう病気で死んだのかとか推測されたことがあります。また、アインシュタインの舌の写真から、舌診から、当時、どのような病気だったか等を診断されたこともあります。)
◆肥満の原因はウイルス!?
日経ヘルスニュース[ 2000/08/10 ]
人間に感染して、感冒などを引き起こすアデノウイルスの一種が、動物実験で、異常に脂肪を蓄積させ、人間の肥満の原因でもあるかもしれない――との研究結果を米ウイスコンシン大学(マディソン)の研究者が「国際肥満ジャ−ナル」(International
Journal of Obesity)8月号で発表した。
実験では、「アデノウイルス36」(adenovirus-36 )というアデノウイルスの一種を、マウスとニワトリに接種した。アデノウイルスは人間に感染しやすく、普通感冒、下痢、結膜炎、咽頭結膜炎(プ−ル熱)などを引き起こすありふれたウイルスだ。
その結果、数ヵ月後には接種された動物の体重は平均7%増えていた。また、体脂肪は、接種しなかった動物の2倍以上にもなっていたという。 研究者の1人である、ニキル・デュランダ−博士は、「人間のウイルスが動物で肥満を引き起こしていることが示されたのは初めて。他のタイプのアデノウイルスも肥満と関係がある可能性がある」と話している。
この研究のリ−ダ−でウイスコンシン大学のリチャ−ド・アトキンソン教授は、「研究はまだ予備的段階のもの」と言う。 しかし、肥満の人の20%〜30%が、アデノウイルス36に感染している、という未発表の研究もある(太っていない人では、アデノウイルス36に感染している割合は5%程度)。 アデノウイルス36が肥満を引き起こすメカニズムについてはまだわかっていないが、「このウイルスを接種された動物が、他の動物よりも多く食べているわけではない。おそらく、このウイルスに感染すると動物はエネルギ−消費が少なくなり、体内の脂肪細胞が増えるのではないか」、とデュランダ−博士は言う。
ちなみに、アデノウイルスを接種された動物は、最初の2、3日は風邪に似た症状を示すものの、その後は、肥満になったこと以外には特に体に変化はなかった。 しかし、血液検査をしたところ、普通、肥満の場合に上昇しているはずのコレステロ−ル値と中性脂肪が、ウイルスを接種された動物では、逆に減少していたという。
◆尿酸値が高いと心臓病死が多い
日経ヘルスニュース[ 2000/06/27 ]
尿酸の血中濃度が高いと心臓病で死ぬリスクが大きいと米国医師会雑誌(JAMA)で発表された。
研究を行ったのは、ニュ−ヨ−クにあるアルバ−ト・アインシュタイン医科大学の研究者たちで、それによると、尿酸値が高いと心臓病で死亡する、という関係は、男性より女性、また、白人より黒人に強いという。
しかし、なぜそうなのかについてはまだわからない、と研究者たちは言っている。 この研究では、5926人を対象に行われた。 被験者たちの尿酸値を1971年から75年にかけて測定し、その後、平均16年間追跡調査した。
その間に1593人が死亡したが、その死因の約半数は心臓病だった。そして、あらかじめ測定しておいた尿酸値と心臓病死との間には密接な関係が見つかった。 「これまでにも血清中の尿酸値と心臓血管系の病による死亡との間に関係がある、との報告があったが、われわれはこれを再確認した。この両者の関係は、他の要因とは関係なくはっきりしている」と研究者たちは述べている。
尿酸は、体内で核酸が分解してでき、そのほとんどは血液で運ばれ、じん臓を通じて体外に排泄される。 血液中の尿酸値が異常に高い人は、痛風やじん臓結石を起こしやすい。また、尿酸値が高い人は、肥満や高血圧になりやすいと言われている。
◆鬱防止には魚を食べよう−−フィンランド
日経ヘルスニュース[ 2000/06/08 ]
フィンランドで行われた大がかりな調査で、魚をよく食べる人には鬱病が少ないことがわかった。
同国のクオピオ大学のアンティ・タンスカネン博士らの研究チ−ムは、フィンランドの4ヵ所の地域からランダムに集めた3204人を対象に調査を行った。調査では、まず対象者に鬱の症状を測定する標準的な質問表に記入してもらい、同時に魚をどれほど食べているかを聞いた。その結果、魚を食べる日が1週間に1回未満の人は全体の30%で、この人たちを「あまり魚を食べないグル−プ」とし、週1回以上の「魚をよく食べるグル−プ」と区別した。
うつについては、全体の28%に鬱症状があると判定されたが、ほとんどの人の症状は「中程度」(mild)だった。 しかし、「あまり魚を食べないグル−プ」の女性だけを取り出して見ると、その34%が鬱症状を持っており、「魚をよく食べるグル−プ」の女性の27%に比べて有意な差があった。
男性については、その違いが、30%対28.5%で、統計的には有意差がなかったが、やはり魚をよく食べる人のほうに鬱が少ないという傾向は見られた。
魚を食べるとなぜ鬱にならないのか。研究者たちは、魚に含まれている「オメガ3−不飽和脂肪酸」(PUFA)がうつ防止に有効な成分なのではないかと見ている。ただし、鬱防止目的で魚の多食、あるいは「オメガ3−不飽和脂肪酸」の摂取を勧めるのにはまだ時期尚早であると研究者たちは言う。
なお99年、「オメガ3−不飽和脂肪酸」のカプセルを服用して、躁鬱病の改善に役に立ったという報告があった。また、タンスカネン博士の同僚が、98年、「1人当たりの魚の消費量が多い国では鬱病が少ない」という研究論文を発表している。
◆リンゴを食べると、肺が丈夫になる ケルセチンが肺活量を増やす
日経ヘルスニュース [ 2000/02/18 ]
日本では、「医者を殺すにゃ刃物はいらぬ。1日1個の梅干しを食べればいい」などというが、西洋では、「リンゴが赤くなると医者が青くなる」ということわざがある。 リンゴが、いわば健康のシンボルになっているのだが、1月19日発行のイギリスの医学誌「胸郭」(Thorax)に、リンゴを1日1個食べる人は、肺の機能が強いことがわかった、との研究論文を掲載した。
研究を行ったのは、ロンドンにあるセント・ジョ−ジズ病院の医師たちで、45歳から59歳までのウエ−ルズ人2500人に、日常の食習慣を詳しくたずね、これを5年にわたって記録し、その5年後に、1秒間にできるだけ息を吐かせて呼気の量を測定した。
その結果、この年齢層の人の肺活量は平均4000mlだが、リンゴを良く食べている人では、食べていない人よりも、138ml多かった。すなわち、リンゴ愛好家は、呼吸に障害が少なく、肺の機能が丈夫であることわかった、という。
肺が丈夫になるかどうかの違いは、一週間にリンゴを5個以上食べるかどうかが境だ、と研究者たちは言っている。 では、リンゴがなぜ呼吸を楽にしているのか。その理由ははっきりわかっていないが、研究者たちは、リンゴに含まれる抗酸化成分であるケルセチン(quercetin
)が働いて、排気ガスやタバコの煙から、肺を保護しているからではないか、と見ている。
ケルセチンは、タマネギ、茶、レッドワインにも含まれている。 この研究では、同じ抗酸化作用のあるビタミンEについても調べた。その結果、ビタミンEの摂取が多い場合でも呼吸機能が強化されることがわかったが、その効果はリンゴほどではなかったという。
また、やはり抗酸化剤として知られるビタミンC、βカロチン(ビタミンA)、柑橘類、フル−ツジュ−スについても調べたが、これらの摂取量と呼吸器機能改善との間には関係は見られなかったという。
◆体内の銅を抑えれば、がんの進行を止められる
日経ヘルスニュース[ 2000/02/16 ]
米国ミシガン大学のジョ−ジ・ブリュア−博士は、1月20日発売の雑誌、「臨床ガン研究」(Clinical Cancer Research)で、「体内の銅の働きを抑える薬を投与することによって、がんの進行を食い止め、重度のがん患者の生存期間を延長させることに成功した」、と報告した。 腫瘍は、その成長のために、自ら微小な血管をつくって血液を通し、酸素や栄養を補給している。「新血管形成」(angiogenesisi
)と呼ばれているこのプロセスを進めるためには、銅が不可欠とされている。
そこで、同博士らは、「テトラチオモリブデ−ト」(tetrathiomlybdate )という薬剤を、がん患者18人に投与してみた。この薬は、銅の働きを抑えて、腫瘍が新血管を形成するのを妨げる働きがある。
投与された人は、いずれも他に有効な治療がない重症の患者ばかりで、18人中12人は、病状の悪化がひどく、薬の投与に耐えられずに途中で脱落した。 しかし、残った6人のうち5人で、驚くべき効果が見られた。腫瘍の成長がストップし、投与開始後、最高で21か月間生存できたのである。
「銅の作用を阻止できれば、がんの進行を食い止められることがわかった。ただし、それによってがんが治癒されるわけではない」と同博士は強調している。
ブリュア−博士が、銅に着目したのは、博士がウイルソン病の研究をしていて、ヒントを得たのがきっかけだった。
ウイルソン病は、銅が脳や肝臓に蓄積する遺伝性の病気で、筋肉の機能の退化、痴呆などが起きる。アメリカでは毎年約5000人が発病する。
この病気の研究のなかで、博士は「テトラチオモリブデ−ト」が、副作用を起こさずに体内の銅の作用を抑えることを発見した。
一方、新血管形成を阻害することによって、がん腫瘍の成長を抑えるという治療法が、このところ、大いに注目されている。そこで、ブリュア−博士は、腫瘍の血管形成には銅が必要であるなら、「テトラチオモリブデ−ト」をかん患者に投与してみてはどうか、と思いついて、がんの専門家と協力してこのテストを試みたのである。
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