開会挨拶
大村恵昭先生M.D.,Sc.D.,FACA,F.I.C.A.E.,FRSM.,BDORT
Founder (バイ・ディジタルO−リングテスト創始者、日本バイ・ディジタルO−リングテスト協会会長、ニューヨーク心臓病研究所所長、ニューヨーク医科大学FAMILY&COMMUNITY
MEDICINE非常勤教授)
はじめに
このセミナーの前に、大分岡病院の見学をさせていただきましたが、非常に設備の整った優れた病院だという印象を強く持ちました。この大分岡病院を一代で築かれた岡宗由先生との出会いは26年前になりますが、岡先生はバイ・ディジタルO−リングテスト(以下BDORT)に対する熱意が全く変りません。むしろ、若い医者よりずっと熱心に取り組んでおられますことに、いつも非常に感激しております。
岡先生は、病理の専門ですが、今から約50年前に九州大学を辞めて全く何もないところから、このすぐれた一流の病院を作られたわけですから、本当に素晴らしいと思います。先生はいつも、すぐ人に聞くのではなく、自分で調べるべきだということをおっしゃっておられます。私も、早稲田大学理工学部の応用物理で学んだ後、医学部で勉強しました。応用物理教室では、週1回、実験の授業があり、そこで出した実験のデータが正確なものでないと認められず、やり直しになり、しかも、その実験の授業は一回でも休むと留年になるという、非常に厳しいものでした。私にはその癖がずっとついているので、岡先生のおっしゃることは全く同感です。
22年前に水俣病の原因を解明したBDORT
本日(2010.04.17)の新聞で、水俣病患者を政府が認定し補償するという決定がでたとのことです。私は、今から22〜23年前に有馬澄夫先生、熊本大学の原田正純先生とともに、水俣病患者宅を一軒一軒訪ね、BDORTで調べました。その当時は、水銀、メチル水銀をサンプルに使い、BDORTで調べると、確かにすべての患者さんに水銀、メチル水銀が増えていました。しかし、発症していない方でもその地区の人には、水銀、メチル水銀が増えていました。その時点では水俣病の原因はメチル水銀ということになっていましたので、さらに我々が、BDORTで調べてゆくと、メチル水銀と細菌・ウィルス感染が同時にあると、水俣病が発症することが分かりました。この事実が、BDORTではすでに22〜23年前には解っていたということになります。しかも、水銀と細菌・ウィルスが同時にあるとほとんど薬が効きかないということも我々の研究で解っています。先ずは水銀を取り除かないといけません。
この度、政府が水俣病患者を補償するとのことですが、病院・大学関係者だ
けでなく、開業医等の診断も受け入れるとのことです。しかし、現代医学では、その人が本当に水俣病なのか、あるいは他の原因によるものなのかの診断はきわめて難しく、政府の保証も曖昧になりかねません。その人が水俣病かどうかはBDORTで調べない限り分からないということになります。そういう意味で、本日は記念すべき日であると思っています。
アスベストの蓄積は、癌、Alzheimer病、心臓血管系疾患の重要な原因1つ
BDORTで測定しますと、最近アスベスト(Asbestos)の蓄積が異常に多い方が、数年前に比べて大変に増えています。我々の研究で解ったことですが、アスベストには癌、癌組織に血液を供給している血管の増進、アルツハイマー病、慢性痛、心臓血管系の疾患、その他慢性の難治性の病気の重要な原因の1つになっていることがわかってきました。すべてのアスベストには発癌作用がありますが、0.14mg以上(BDORT
Unit)のアスベストのある人は、癌、その他の悪性腫瘍が存在する可能性が非常に高いです。一番多く見つかるのは、Chrysotile
Asbestosで、脳(脳腫瘍、アルツハイマー、)心筋(心不全、心筋梗塞)血管(高血圧)などの心臓血管系疾患でも見られます。一番発癌作用が強いのは、Tremolite
Asbestosです。一般的に、アスベストは一度体内に入ると取り除けないとされていますが、我々の研究で、体内に蓄積したアスベストを簡単で安全に取り除くいくつもの方法がわかっています。体内のアスベストを除去することで、症状の改善が期待できます。
(アスベストの排出方法については、ORT会報Vol13 p15「大村教授の最近の研究」に詳しく掲載していますのでご参照ください)
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