講演@
「現代医学的診断法とBDORTによる診断法の境界線上における問題点」
前田 華郎先生(前東京女子医大形成外科教授;アドバンス・クリニック横浜院長)
Diagnostic Dissociation between Modern Medical Technologies
and BDORT Technique: My Experience and Practical Pitfalls
Karo Maeda, MD., Ph.D., Cert. ORT-MD (3Dan), Former
Prof. Medical School, Tokyo Womenユs Medical University;
Director, Advance Clinic Yokohama
今回は、BDORTと現代医学との微妙な差についてお話したいと思います。まず、BDORTの落とし穴についてお話します。BDORTでは形態的変化は分かり難いので常に画像診断や生化学的検査、内視鏡検査等を参考にすることが必要です。CTやMRIで病巣を確認していかないと本当の病状を把握できません。
次に現代医学的診断法では病理組織で癌と診断されても、BDORTで癌反応が陰性のこともあり、その逆もあります。また、現代医学的診断法では症状が出ても診断がつかない場合や、癌の原発巣が不明、癌のミクロの転移部位が不明、癌の治療中に他の部位に痛みなどの症状が出ても、その原因が癌によるものかどうかが不明の事も多く、またその判定に時間を要するなどの問題点がありますが、BDORTを使うとこれらの問題が即座に解決されます。現代医学的診断法では形態的変化で癌か否かを判定すると間違った治療にもつながりかねません。例えば肺癌や肝臓癌の治療中にCTで増大するとすべて癌の悪化と考えますがCandida
albicans(カビ)が原因している事が大層多いです。それは、癌と必ず共存しているStaphylococcus
Aureus, Streptococcus A&B, CMV, Chlamydia trachomatis,
Candida albicans, ウイルスなどが癌の死滅後も存在し、増殖の原因となっていることがBDORTによってわかっています。癌とは異なりますがHSV−T、U、水銀などの重金属は、血流が悪いと現われますので血流を良くしておくことが大切です。癌の活性の有無を調べるBDORTと、形態のみで診断する医学には矛盾が生じます。双方を統合した診断法が今後発展することを切望します。
講演A BDORTによるT型糖尿病とU型糖尿病の共通点と相違点
加藤 紘一先生(小野田病院)
The Similarity and Difference between I type Diabetes
and II type Diabetes by BDORT
Koichi Kato M.D., Cert. ORT-MD (3Dan) Onoda Hospital,
Fukuoka
今回、BDORTにより乳幼児期・学童など若い年代層に発症し、生命維持のためインシュリン注射が不可欠なT型糖尿病と成人層に緩徐に発症するU型糖尿病の共通点・相違点についての検証を試みました。糖尿病患者36名(T型糖尿病 16例 U型糖尿病 20例)糖尿病家系の未発症例3名について病理組織による臓器イメージング、RCSユニットを用いての検証と西洋医学的検査により確認を行ないました。
U型糖尿病20例の検証結果は、水銀、サイトメガロウイルスは全例で共鳴、サイトメガロウイルスの単独感染は5例、混合感染は、クラミジア・トラコマーティス3例、緑膿菌2例、単純ヘルペスウイルス−T型(以下HSV-1)2例、黄色ブドウ球菌3例、溶血性連鎖球菌6例でした。T型糖尿病の検証結果は、水銀とサイトメガロウイルス、ヒューマンヘルペスウイルス−6型(以下HHV-6)とバクテリアの感染が全例において共鳴、バクテリアは溶血性連鎖球菌7例、黄色ブドウ球菌6例、緑膿菌3例であった。この他に混合感染がクラミジア・トラコマーティスが1例、HSV-1が2例にみられた。また、T型糖尿病児の親や祖父母には糖尿病の方はおられませんでした。U型糖尿病家系、たとえばお父さんが糖尿病の29歳の男性は膵臓に水銀40r、サイトメガロウイルス370ng、アセチルコリン340μg、トロンボキサンB2 370ng、黄色ブドウ球菌が共鳴しますが、スタンダード検査では糖尿病と診断されず、このような方にこそBDORTの診断が有効だと思います。
T・U型糖尿病に共通する必須共鳴因子は 1)水銀の沈着 2)循環障害 3)サイトメガロウイルス感染で、T型糖尿病では
1)〜 3)に加えて 4)HHV-6の感染、 5)アモキシリンに感受性のある細菌(緑膿菌、黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌)の感染他に、その他にHSV-1、クラミジア・トラコマーティスなどの混合感染がありました。U型糖尿病は
1)〜 3)に加えてHSV-1・2、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌、クラミジア・トラコマーティスなどの混合感染がありました。T型糖尿病は、HHV-6とアモキシリンに感受性のあるバクテリアの混合感染が全例にみられたことから、治療は中国パセリ、EPA/DHAとアモキシリンを基本薬剤として用いる価値があると思います。T型糖尿病は発症前の治療が望まれ、真の意味での統合医療としてBDORTの果たす役割は大きいと思います。
講演B バイ・ディジタルO−リングテストによる結核の評価
出口 一樹先生 (岐阜県関保健所所長)
The Evaluation of Tuberculosis by Bi-Digital O-Ring
Test
Kazuki Duguchi M.D., Cert., ORT-MD (3Dan) Seki Public
Health Center in Gifu Prefecture
日本における結核患者の発生率は他の先進諸国より高く、その対策は重要な課題となっており、法律で患者と密接に接触した者の検査が行われています。不顕性結核の診断は29歳以下の者を対象としてツベルクリン検査(以下ツ反)が行われ、強陽性の場合、発病予防で抗結核剤の投与が行われます。しかし、ツ反は特異度が低いという欠点があり、BCG接種を受けた者に陽性反応が出ることがある等、陰性例が陽性とされる危険性が高いのです。
今回、ツ反の症例にBDORTを行い、ツ反による測定結果と比較しました。また、新しい診断法、QuantiFERON-TB第二世代(QFT-2G)との相関を調べました。対象の結核患者は、レントゲン上診断が困難な胸部結核の2症例(28歳女性と、68歳男性)を選び、接触者は集団発生の可能性があった無症状の症例を選び、BDORTを行う基準参照物質としてMycobacterium
tuberculosisとMycobacterium aviumを用いて胸部レントゲン写真を判定し、その測定量とツ反の結果を比較しました。
結果は、結核感染例は、BDORTのMycobacterium tuberculosisの量は28歳女性7μg(BDORT
Unit)、68歳男性16μg(BDORT Unit)と、結核の程度が低くてもBDORTでは高値を示しました。Mycobacterium
aviumは検出されませんでした。接触者例は男32例、女22例、(平均年齢15.6歳)の内、ツ反では陰性0人、陽性40人、強陽性14人の内10人が予防内服対象者と判定されました。しかし胸部レントゲン写真のBDORTではMycobacterium
tuberculosisとMycobacterium aviumは全例で1ng(BDORT Unit)以下でした。そして、QuantiFERON-TB第二世代(QFT-2G)検査でも、10名全例が陰性と判定され予防内服はありませんでした。よって、胸部レントゲンをBDORTにより判定することは結核感染の診断に有効で、不要な予防内服を減らすことができると考えます。また、QuantiFERON-TB第二世代(QFT-2G)は、BDORTでの検査結果と一致しており、ツ反の欠点を克服する新たな診断法だと思います。
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次号は、「現代の医療体制とBDORT医学の将来性」シンポジウム講演C下津浦康裕先生「癌の自然史とバイ・ディジタルO−リングテストで異常を指摘して、数年後に癌が発見された5症例」、講演D岡宗由先生「免疫機能による漢方の正しい選び方−BDORT(OMURA)法による−」、シンポジウムを特集します。
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